「多くのマネジャーはマネジメントの“無免許運転”をしています」。そう語るのは人材教育コンサルティングを行うアチーブメントの取締役営業本部長であり、トレーナーでもある橋本拓也氏だ。我流マネジメントに陥りがちなマネジャーの原因とは?※本稿は、橋本拓也『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)の一部を抜粋・編集したものです。
メンバーとうまくいかない原因は
マネジャーが任せられないこと
マネジャーがメンバーとうまくいかない原因は「任せられないこと」です。
大企業の管理職でもない限り、多くの中堅企業・中小企業ではマネジャーもまたプレイヤーとして活躍するプレイングマネジャーであることが多いでしょう。
チームのリーダー職であるとしても、マネジャー自身も通常業務で成果を出す必要があり、加えてメンバーを育成して成果を出させなければいけません。
ただ、メンバーがマネジャーと同じような成果を出せるとは限りません。
多くの場合でマネジャー以下のパフォーマンスになることもよくあるはずです。
すると、今度は仕事を任せられない状態になります。
「誰かに任せるより、自分がやったほうが早いし、成果も大きい」「できることなら自分のコピーが5人欲しい」と考えがちになるのです。
確かに、一見すると正しく感じます。
レベルも経験値も違うのですから、任せずマネジャーが仕事をしたほうが成果は出ますし、コピーが5人いれば5倍の成果が出るかもしれません。
ですが、これではチーム・組織の仕事にはなりません。
あくまでもマネジャーはプレイヤーでありながらマネジメントを行わなければいけないので、メンバーへ上手に任せていく必要があります。
メンバーに任せたあとの
マネジャーの関わり方が重要
そして、任せたあとの関わりも大切です。
マネジャーはチームの仕事の結果に責任を持たなければいけませんので、メンバーに任せっ放しにした結果、成果が出なくてもいいということはありません。
ですが、マネジャーが手を出したときに、助けてもらった事実よりも「任せてもらえなかった」「信じ切ってもらえなかった」「私は無能なんだ」とメンバーが自己肯定感や自分への価値を下げてしまうケースがあります。
これは、任せたあとの関わりによって「私のほうがすごい」「あなたは無能である」ということがメンバーに伝わっているということです。