マネジメントのイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

マネジャーが部下から信頼を勝ち取るために抑えておきたいポイントとは何だろうか。1年間で1000人以上が受講するマネジメント講座を生み出したアチーブメント取締役営業本部長の橋本拓也氏が、部下との関わり方に思い悩むマネジャー必見の7つの身につけたい習慣を解説する。※本稿は、橋本拓也『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)の一部を抜粋・編集したものです。

マネジャーがメンバーから
勝ち取るべき「尊敬」と「信頼」

 リーダーシップを発揮するために不可欠なものが「他者との関係を築く技術」です。信頼関係が築かれるからこそ、上質世界に入れるわけです。

 他者との信頼関係を築くためには「尊敬」と「信頼」の2つを勝ち取らなければいけません。

 尊敬は担当業務での一定の知識や実績があり、相手が困っている問題を解決することなどで、得られることが多いでしょう。

 例えば、営業部であれば「成果」です。プレイングマネジャーとしてのメンバーを圧倒する実績や能力、それによって導き出された成果を見せ、メンバーから「このマネジャーは自分に持っていないものを持っている」ということを示します。

 経理や事務などのバックオフィス業務であれば、メンバーを圧倒する知識やスキル、そして実務能力です。質問をされてもすぐに答えることができたり、作業をものすごく早く完了させることができたり、的確な状況判断をすることで示せます。

 ただし、尊敬を得るためにはポイントがあります。

 チームのメンバーが「今後の業務の中で獲得したい目標の領域内」における卓越性を示すことです。

 例えば、営業部なのに自ら成果を上げずに経理の知識だけを持っていたりしても尊敬にはなりません。単に「物知りだな」となるだけです。

 そうではなく、メンバーから見て「この上司は自分が持ってない専門知識やスキルを持っているな」「ここまではできないというレベルで努力やチャレンジをしているんだな」「ここまでは自分は成果を出せていないな」などが卓越性に当たります。

 あるいは「誰でもできることを、誰もできないくらい徹底的に継続している」ことも尊敬につながります。

 あなたにはどんな卓越したスキル、知識、成果、継続している習慣などがありますか?

 一方で「信頼」は時間をかけて醸成していくものです。

 アチーブメントでは信頼と尊敬をそれぞれ「徳と才」と呼び変えています。徳とは「人格や人望」で信頼につながり、才は「能力(才能)や実績」で尊敬につながります。