――確かに外から見た評価と、実際の悩みにギャップがありますね。
はい。特にこの方の場合は、夫婦関係が良好だからこそ、重要な話し合いができない状態に陥っているんでしょう。「家族のように」なってしまうと、デリケートな話題はより切り出しにくくなる。これはよくある落とし穴ですね。
三つの軸で整理する
――では、どのように状況を整理していけばいいでしょうか?
これはもうね、人生の選択の話ですよね。相談者さんが今、本当に必要としているのは「決断」だと思います。まず、人生を逆算して考える必要があります。
具体的には三つの軸で整理していくといいでしょう。(1)子どもを産むか産まないか、(2)セックスをどう考えるか、そして、(3)愛とお金のどちらを重視するか。こういう基準を持って選ぶことが大事です。
――三つの軸について、もう少し詳しく説明していただけますか?
まず、子どもについては、「欲しい、欲しくない」という曖昧な判断ではなく、はっきりと決める必要があります。もし子どもが欲しいなら、夫とは難しいわけですから、離婚して恋人との未来を考えるべきでしょう。「産んでもいいかな」程度の気持ちでは、決断の軸にはなりません。本当に子どもが欲しいのか、それとも周囲からのプレッシャーなのか、見極める必要があります。
――夫とは「仲が良い」ものの、きょうだいのようだと感じているそうです。
岡野:仲が良いのに離婚するのは辛いですよね。でも、仲が良いだけで寂しさを抱えたまま、子どもも諦めてこのまま一生を過ごすのが幸せなのかどうか。ここを見極める必要があります。人生は短いですし、子どもを持つことを考えるなら、タイムリミットが迫っていますから。