近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#11では、ホテル・レジャー業界の予測年収を独自に推計し、全13社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
「年収900万円超え」企業誕生!
業界の盟主巡り序列逆転も
「ハローキティ」と「ミッキーマウス」という、世界的に人気のあるキャラクターをそれぞれビジネスの主軸に据えているという点では共通している、サンリオとオリエンタルランド。
しかし、平均年収という点では大きく差が開く。2024年3月期の平均年収でサンリオは877.2万円。片や、オリエンタルランドは594.1万円にとどまる。
オリエンタルランドが国内のテーマパーク事業やホテル事業を主としているのに対し、サンリオは物販事業やライセンス事業に加え、海外ビジネスの存在感が大きいなど、ビジネスモデルの違いがこうした平均年収の違いを生んでいる一因だ。
そして、ホテルを運営する企業は総じて平均年収が高くない。日本を代表するホテルの帝国ホテルでも574.7万円、同じくホテルを運営する藤田観光は526.8万円にとどまる。新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化して以来、いまやインバウンド需要は大きく回復しているが、賃金の安さは人材獲得面で復活の波に水を差しかねない、由々しき問題だ。
そんな状況の中、3年後の年収はどうなるのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、ホテル・レジャー業界の13社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。
その結果、7社と過半の企業で3年後の年収が減少。一方で、10%以上の増加率の会社や、業界で唯一900万円を超える会社が登場する試算結果となった。また、ホテル業界の“盟主”ともいえる企業が賃金で抜かれるような序列の異変も起こっている。
ここまで紹介した企業に加えて、コシダカホールディングス、東京都競馬、リゾートトラスト、ラウンドワン、第一興商、ポラリス・ホールディングス、イオンファンタジー、共立メンテナンスといった企業の3年後の年収はどれくらい増えるのか?あるいは減るのか。一挙に見ていこう。