全国で企業倒産件数が急増している。人件費の高騰や原材料費高によるコスト増を受けて、2024年度の倒産件数は11年ぶりに1万件を突破する勢いだ。そこで、上場企業約3900社の倒産危険度を総点検。総合版として、リスクの高い434社をあぶり出した。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#18では、全業種ワースト100を紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
来年度、資金調達に窮する企業が激増
今こそ注目の倒産危険度ランキング
今年度上半期(4~9月)の全国の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は5095件に膨らみ、実に10年ぶりに5000件を超えた。前年同期比で増加率は17.8%となった。
東京商工リサーチによると、10月の倒産件数も前年同月比で14.6%増の909件と高水準が続く。2024年度の倒産件数は、13年度以来11年ぶりに1万件を突破するのがほぼ確実な情勢となってきた。
人件費の高騰に加え、物価上昇による原材料費などコスト増が続いており、販売価格に転嫁できずに経営破綻に追い込まれる企業が相次いでいるのだ。
しかし、これからさらに倒産が急増するのは必至である。新型コロナウイルスの感染拡大対策として、企業の資金繰りを支えた実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の大盤振る舞いがあった。それは副作用として、収益力が乏しいのに過剰な負債を抱えた“ゾンビ企業”を激増させた。
帝国データバンクによると、国内にあるゾンビ企業の数は22年度の段階で25.1万社に上る。コロナ前の18年度と比べ、約7割も増加したのだ。
そこに追い打ちをかけるのが金利上昇局面の到来である。来る25年度は、資金調達が難航する企業が急増し、全国の倒産件数は一層増えるだろう。今こそ、経営リスクの高い企業を見分けることが重要である。その手引きとなるのが、公開情報から算出した「倒産危険度(Zスコア)」だ。
米国の経済学者、エドワード・アルトマン氏が1968年に考案したもので、短期的な資金繰りの圧迫度や負債の負担度合い、売り上げや利益を生み出す効率性など、五つの指標の合計値により算出される。
合計値が低いほど倒産リスクが高まり、1.81未満になると「危険水域」だ。1.81~2.99も倒産の懸念を否定できない。逆に2.99を上回れば、倒産の可能性はほとんどないといえる。
ダイヤモンド編集部が上場企業約3900社の倒産危険度を総点検したところ、434社が危険水域と判定された。その中にはGMOインターネットグループや九州電力、イオンモールや日本製紙などの大企業もランクインしている。
最新版の倒産危険度ランキングのワースト100にはどんな企業が名を連ねたのか。個別に確認していこう。