目標を達成したにもかかわらず給与が上がらない、他の社員と比較して自分の報酬が低いと社員感じた場合が典型だ。ベテラン社員が年齢を理由(役職定年など)に報酬を減らされたり、若手偏重で自身の評価が下がったりしても、当人にはまだ十分に活躍できるという意識があるため、不公平だと感じる。
さらに、会社の方針や財政状況によって評価が影響を受ける場合もある。会社が再建期に入り予算を削減する際に、社員の希望する報酬に届かないことがある。社員の評価はつまるところ給与なので、当然不満のもととなる。
最後に、会社からの伝え方や説明の仕方の問題がある。会社が評価や契約条件を一方的に示して十分な説明を行わず、社員が納得するための情報提供や対話、社員へのリスペクトが欠けている場合に生じる。
長年会社に貢献してきた社員が、その功績を軽視されると、信頼関係が損なわれる。その上、契約内容や評価基準が不透明であれば、社員は不信感を抱く。具体的な数値や目標が提示されず、インセンティブや出来高払いの条件が曖昧で説明不足であれば、社員は納得できない。
また、社内外から高く評価されているのに、会社からの評価が低く、その理由が明確に説明されない場合も、社員の不満につながる。
厳しい評価を
部下に納得してもらう方法
だから、会社は社員に不満を持たせないために、まずは評価指標の明確化や評価の公平性の確保に努めることが重要だ。その上で、現場のマネジャーが、厳しい評価を本人に伝える際に、どう伝えれば不満が少なくなるのか。その方法については意外と語られることが少ない。
原則的には、相手の貢献や感情を尊重した対応を心がけることが重要である。厳しい評価を伝える状況には、次の4通りがあり、その状況ごとの対応の方法がある。
1. 私(上司)は評価が正当と考え、相手もその評価を(おそらく)正当だと認識する場合(上司○、部下○)
2. 私(上司)は評価が正当と考えるが、相手はその評価を(おそらく)不当だと認識する場合(上司○、部下×)
3. 私(上司)は評価が不当と考えるが、相手は(おそらく)正当だと認識する場合(上司×、部下○)
4. 私(上司)は評価が不当と考え、相手もその評価を(おそらく)不当だと認識する場合(上司×、部下×)