(1)急に便秘になった
(2)便が細くなった
(3)排便のあとも便が残っている感じがする
(4)便秘と下痢を繰り返している
(5)下痢が2週間以上続く
(6)排便が不規則
(7)血便が出た
(8)赤い便や黒い便が出た
(9)慢性の便秘で、下剤をよく使う
(10)お腹の張りや腹痛がある
特に(1)「急に便秘になった」、(7)「血便が出た」という人は、すぐに胃腸科などの専門医を受診しましょう。
免疫力低下、自律神経にも影響
便秘が引き起こす怖い病気
便秘の人は、にきびや吹き出物といった肌トラブルが多くなります。これは、便と一緒に排泄されるはずだった有害物質が長く体内に留まってしまうために起こります。また、便秘で腸内に生じた有害物質は免疫力を下げ、自律神経に影響します。
●便秘が引き起こす大腸憩室炎
大腸憩室とは、腸内にガスが多くなり、そのガスの圧力などで大腸の壁の一部にできた袋状のくぼみを指します。その多くは、便秘のために大腸の壁が厚くなり、大腸に圧力がかかるために外側に押し出されてできたものです。このくぼみに便が入り、炎症を起こす病気が大腸憩室炎です。発熱や腰痛、稀に大出血を起こすことがあります。
●便秘が痔を招く
便秘が続くと、排便のときに強くいきむために、痔になりやすくなります。
痔は排便を苦痛にします。痛みから逃れるために排便を我慢してしまい、我慢すると便がさらに頑固になるという悪循環が起こります。
また、痔は排便時以外にも出血があるため、下着が不潔になりがちです。すると、外出や運動を控えて運動不足になってしまうなど、ライフスタイルにも影響が出ます。
痔は軽いうちに治すことが大切です。
消化器系の不調で心を病むことも
脳と腸は密接に結びついている
うつ病の患者さんの中には、消化器系の不調、特に便秘を訴える患者さんが多くいます。また、抗うつ剤を服用すると、副作用として便秘やその傾向が現れやすくなります。
こうしたことは脳と腸が密接に結びついていることを示しており、“脳腸相関”を示す一例としてよく取り上げられます。
便秘は、精神的悪循環と身体的悪循環の2つが重なり、交互に悪影響を及ぼしていることも指摘されています。脳から腸、腸から脳へと負の連鎖が便秘を悪化させていくのです。
便秘気味だからといって、トイレで長時間に渡り強くいきんでしまうと、高血圧を引き起こしやすくなるときがあります。
真冬のような寒い日に強くいきむと、脳卒中を起こす可能性もあります。
また、高血圧を治療するための降圧剤(利尿剤)を服用すると、利尿作用で体内の水分が減った分、便が硬くなることもあります。
排便がスムーズだといきむこともあまりなくなるので、血圧は安定するかもしれません。