どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場の出世する人は「失敗しても」評価が下がらない。その本当の理由Photo: Adobe Stock

失敗しても被害を最小限にする

あなたは仕事で失敗したことはあるでしょうか。僕が勤めるメガバンクでは一つ一つの失敗が命取りになると言われていて、失敗の重みが他の会社とは桁違いです。過去に大失敗をした結果出世が難しくなってそのまま転職していった同期がいるほどです。

ここまでいくと極端ですが、銀行でなくても多くの企業では失敗が許されない業務イベントがあります。

出世をする人はこのような場での失敗をほとんどしないだけでなく、仮に失敗をしたとしても被害を最小限に抑えることがとてもうまいです。今回は、失敗に対処するクセをつけるためにどうすればいいかを解説します。

してもいい失敗、してはいけない失敗

まずは、失敗の仕訳をできるようにします。失敗は大きく2つに分けることができます。

A:自分の評価に響かない失敗
B:自分の評価に響く失敗

「そんなの当然だろう」と思う人も多いかと思いますが大事なことはその次の工程です。出世するために必要なのは、この「A:自分の評価に響く失敗」の解像度を高めていくことです。この工程がちゃんとできている人は案外少ないです。例えば、個人的に大きな失敗をしたとして、その失敗は具体的に何回繰り返しやったら人事評価としてアウトなのか、あなたの評価のどの部分に響くのかを正しく理解するための工程です。

出世をしている人は、この解像度を高める工程が極めてうまいです。会社では大きな失敗に見えても、実際には上司から少し要注意人物と見られるだけで評価にはほとんど影響しないような失敗もあります。「お得意先の契約を落とす」ことと、「新規契約のチャンスを落とす」こと、これらも両方失敗といえば失敗ですが、職場によってどちらをより評価するか(評価が下がるか)は、変わるものなのです。

この仕訳が完璧になると、それぞれの業務において無駄に慎重に取り組むことや逆に無駄にリスクを負ってしまうようなことから回避できます。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)