緩和傾向にある栄東と大宮開成
10日午前中の注目入試はBランクの栄東[A東大]([ ]は入試名、以下同じ)だろう。2月1日の難関・上位校受験生がこの入試回を選ぶことも多い。24年は1862人(男子は3660人)が受験して1.62倍(男子は1.5倍)だった。この入試回の志望者数が9月・10月と4割半弱(男子は3割弱)減っており、夏休み前よりもさらに減少している点が気になる。
恐らく、最大の原因は開智所沢&開智に志望者が流れていることにあるのだろう。「難関疲れ」という25年入試の傾向も影響していそうだ。それでもこの入試回については、受験者数が多少増減しても、25年も同程度の倍率を維持するものと思われる。
Cランクには、開智[1回]と大宮開成[1回]がある。9月と10月の志望者数を見ると、開智は微減から微増へ、大宮開成は2割減から1割弱減と、男子ほどの勢いはないもののいずれも持ち直してきた。24年に953人が受けて1.91倍(23年1.82倍)だった大宮開成については、25年は1.8倍台に戻す公算が大きい。
開智については、Eランクの開智所沢[1回]と併せて見てみよう。24年に1006人が受験して1.36倍だった開智所沢の志望者数は、10日午前の各校入試回の中では突出している。9月の3.6倍から10月は3.1倍といささかの緩和が見られる。
とはいえ、これがストレートに25年の倍率に跳ね返るとは思えない。募集人員を240人から300人に増やした25年、どこまで合格者を出して新入生を受け入れるかは学校側の判断次第だ。24年に1085人が受けて1.73倍だった開智については、10月時点でも微増程度であり、開智所沢共々、25年に2倍超えとするかどうかが注目される。
Dランクの青山学院大学系属浦和ルーテル学院[1回]は、女子の志望者数が男子の2倍半もいる人気入試回。9月は1割強増えていたが、10月は1割弱増に少し失速している。24年に246人が受験して1.85倍(23年1.14倍)だったが、25年は2倍に迫る展開となりそうだ。
“開智所沢旋風”の吹き荒れる県西部で、24年に全面的に緩和した西武学園文理(狭山市)は、志望者数を見る限り、23年の競争状況に戻す勢いである。最多の376人が24年に受験して1.05倍(23年1.07倍)だったFランク[1回]の志望者数は、9月の2割増から10月は3割強減へと一変しており、先行き不透明だ。とはいえ、25年に1.1倍を超えることはなさそうで、受けやすくて受かりやすい状況に変わりはない。ブラジル出身のマルケス・ペドロ校長の下、服装の自由化もあって、学校の雰囲気は一変している。