「10日午後」は淑徳与野「医進コース特別」がヒット

 10日午後は、508人もの受験生を集めて24年入試のヒット作となったBランクの淑徳与野[医進コース特別]から見ていこう。女子校として、ますます進む中堅・上位層女子の理系志向をうまくすくい取り、志望者数は9月の6割半増から10月には4割強増に緩みはしたものの、24年2.44倍が25年は3倍に向けて高まりそうだ。

 志望者数が100人を超えている入試回は他にない。埼玉でも午後入試が急速に増えている。10日午後で100人以上が受験した回を見ていこう。いずれもEランクの埼玉栄[2回難関大][2回医学]は、24年に248人と458人が受験して、いずれも1.52倍だった。9月と10月の志望者数は、4割半減から3割減へ、2割半減から1割弱減といずれも緩和傾向が少し緩んできた。25年の倍率は学校の考え方次第なので、単純にこの傾向を反映できないが、1.5倍程度の倍率を維持するのならば、合格者は結構減少することになる。

 女子受験生人気の高い星野学園。Dランクの[理数選抜1回]は、24年に357人(男子は127人)が受験して2.95倍(23年1.72倍)と狭き門だった。その反動か、志望者数は9月4割減、10月にも3割強減と緩和傾向にあり、25年は2倍台半ばになるかもしれない。

 Gランクの大妻嵐山[大妻一般1回]は最多の371人が受験して1.39倍だった。志望者数は9月に3割減、10月は3割強減と緩和しており、25年はだいぶ受けやすくて受かりやすい状況になりそうだ。

 浦和実業学園は、Eランクの[1回特待午後]とGランクの[適性検査型]を設けているが、24年は236人と267人が受験して、1.47倍(23年1.4倍)と1.34倍(23年1.23倍)だった。前者は9月の微減から10月は4割減、後者は前年並みということで、25年には前者が大幅に緩和する可能性が出ている。

 Fランクの春日部共栄[1回午後]は、24年に166人が受験して1.77倍(23年1.49倍)となかなかの人気だった。9月・10月共に2割半増と好調で、25年は2倍に迫るかもしれない。

 Dランクの西武学園文理[特待]は、24年に144人が受けて1.95倍(23年1.91倍)という人気回だが、志望者数も3割増と好調で、25年には2倍乗せしそうである。Fランクの開智未来[1回]は117人が受けて1.22倍(23年1.1倍)だったが、10月の志望者数が半減しており、25年は受けやすくて受かりやすい状況になりそうだ。Gランクの武南[1回午後]は24年に161人が受けて1.3倍(23年1.41倍)だったが、志望者数は9月の2割増から10月は3割強と増えており、25年は1倍台後半に向かいそうである。