緩和傾向にある「12日」の注目校

 埼玉の共学校では唯一となるAランクの入試回は栄東[東大特待][東大特待算数]で、その名の通り東大クラスの特待生を募るものだが、受験生は圧倒的に男子が多い。4教科型と算数1教科型で、24年に230人(男子は921人)と15人(男子は126人)が受験して、2.4倍(23年2.62倍)と合格者なし(23年6.25倍)で、なかなかハードである。10月の志望者数は3割ほど減っており、25年には倍率の緩和が望まれるところだ。

 Cランクの大宮開成[特待]は368人が受けて2.1倍(23年1.73倍)だったが、9月の2割減から10月は2割半減と緩和しており、男子とは反対に25年は2倍割れもありそうだ。

 12日午前で一番志望者数も多く、24年受験者数も多いのがEランクの開智所沢[2回]で、427人が受けて1.43倍だった。志望者数は9月で4.3倍増、10月は実に4.5倍増と埼玉の入試回で最も勢いがある。412人が受けて1.67倍(23年2.11倍)だったDランクの開智[2回]は9月の1割減から10月は2割半減まで志望者数を落としており、所沢に志望者が大きくシフトしている様子がうかがえる。25年については、これまで同様、学校の方針次第なので予想は控える。

 Dランク(男子はEランク)の茗溪学園[一般4科](24年は7日)は、172人が受けて3.19倍(23年2.09倍)と男子同様に結構厳しい入試回である。志望者数は9月の微減から10月は1割弱減に緩和しており、25年は何とか3倍を維持する見通しだ。

 いずれもFランクの西武学園文理[2回]獨協埼玉[2回]浦和実業学園[2回特待]は、24年の受験者数・実倍率が、121人・1.17倍(1.35倍)と126人・1.58倍(23年1.64倍)、99人・1.74倍(23年1.48倍)だったが、志望者数の9月と10月の動きを見ると、9割増から2割強増へ、4割半減から1割減へ、1割半増から微増へと大きく分かれている。出願締め切りまでにもう一波乱ありそうだ。

 12日午後に受験生を多く集める入試はない。いずれもEランクの浦和実業学園[2回<午後>特待]は9月の3割減から10月の1割半減へ、開智未来[T未来]は、9月の半減から10月は2割強減へと復調傾向にあるものの、24年の52人・1.73倍(23年1.26倍)と53人・2.21倍(23年2.05倍)から、25年はいずれも緩和するものとみられる。