「公立一貫校」と「11日午後」の注目校

 11日午後で志望者数合計が100人を超える入試はないので、受験者数100人以上のものを見ておこう。Bランクの開智[算数特待]は24年に179人が受けて2.84倍(23年5.09倍)だったが、9月の前年並みから10月は1割半減と緩和しており、25年はいささかハードルが下がりそうだ。Dランクの開智所沢[算数特待]は191人が受けて1.95倍だったが、9月の2.6倍増から10月は3.2倍増へと勢いを増している。25年には両校のランク差が解消するのかもしれない。

 Eランクの星野学園[2回]は201人が受験して2.03倍だった。9月の1割半減から10月は1割減となったが、25年は2倍割れとなりそうだ。やはりEランクの春日部共栄[2回特待・医学午後]は、105人が受けて3.18倍(23年2.89倍)だった。9月の3割増から10月は1割増に勢いが落ちている。

 埼玉栄[4回]は、Eランクの[難関大][医学]が24年に95人と116人が受けて、1.56倍(23年1.64倍)と1.55倍(23年1.62倍)だった。9月に前年並みと1割半増だったものが、10月には3割増と6割半増と勢いを増しており、25年はいずれも1倍台後半を目指しそうだが、これも何人合格者を出すかに左右されそうだ。

 11日午前には埼玉と茨城の公立中高一貫校の入学検査が並ぶ。10月の志望者数で傾向を見ておこう。受検者数と実倍率は女子の数値である。水戸第一や土浦第一と並び、茨城県立御三家の一角を占めるようになったBランクの並木中等教育学校は、24年に267人が受けて3.34倍だったが、志望者数が8割弱も増えており、4倍乗せもあり得る状況だ。一方、いずれもBランクで3.48倍の土浦第一高等学校附属と3.98倍の水戸第一高等学校附属は、それぞれ1割強減と2割強減で、25年はいささかの緩和が予想される。

 埼玉では、川口市立高等学校附属(一次)は175人が受けて2.11倍だったが、10月の志望者数が3分の1に激減しており、このまま行くと25年は2倍を割れることになりそうだ。13日のさいたま市立浦和高等学校附属(1次)は、347人が受けて2.89倍と人気だが、志望者数は3割弱減っている。埼玉県立伊奈学園(1次)は270人が受けて1.91倍だったが、こちらの志望者数は6割強増えている。14日はさいたま市立大宮国際(一般1次)もある。こちらは316人が受けて1.58倍と手頃だったこともあるのか、志望者数は1割増えている。