高倍率回避が目立つ埼玉「11日」入試
11日午前、圧倒的に受験生を集めているのはBランクの栄東[A難関大]だ。このA日程、新型コロナ禍を受けてからは2日間に分割され、25年は10日(東大)と11日(難関大)で選べる。24年に800人(男子は1525人)が受験して2.02倍だったが、志望者数は9月・10月共に6割増と絶好調。合格者の出し方次第で左右されるが、25年も2倍台は維持して2倍台半ばに迫るものとみられる。
他に志望者数合計が100人を超える入試が二つある。一つは、Cランクの開智所沢[算数特待]で、24年の12日午後からシフトしてきた。24年は273人が受験して4.07倍という狭き門だったが、志望者数は9月も10月も2.3倍増となっており、25年に5倍や6倍乗せ当たり前の状況である。来る者は拒まずとなれば、実倍率はさほど上がらず、合格者数激増という事態も想定される。
もう一つ、Fクラスの獨協埼玉[1回]は越谷市の本校に加えて川口市にも受験会場を設ける。24年に479人が受験して1.36倍だった。9月に2割減だった志望者数が10月には1割減まで戻しており、25年は大幅に緩和する事態は避けられそうだ。
24年に100人以上が受験した入試を見ていこう。合格者全員がS特待生となるBランクの開智[創発クラス(特待A)]は270人が受けて6倍(23年3.34倍)という埼玉指折りの高いハードルだが、9月に2割半、10月に4割半それぞれ志望者数が減っており、この過酷な入試を回避する動きが強まっている。25年は3倍台に戻すのか、あるいは高止まりしたままとなるのか、学校側の考え方に左右されるだろう。
Eランクの星野学園[理数選抜2回]は260人で2.92倍(23年1.52倍)だったが、10日午後の[理数選抜1回]と同様、高倍率をいささか敬遠した動きが見られるものの、9月2割半減、10月は1割半減と1回よりも抑制的で、25年も高めのハードルは続きそうな情勢である。
埼玉栄[3回]は、Eランクの[難関大]と[医学]が110人と130人が受験して、いずれも1.55倍だった。Fランクの[進学]は83人で1.54倍だった。スライド合格もあり、倍率がほぼ同じ三つの区分だが、9月と10月の志望者数は分かれている。[難関大]は3割半増から微増に、[医学]は1割減から5割増へ、[進学]は1割弱増から1割弱減へと転じている。例年1.5倍程度が常なので、25年もあまり動かないものと思われる。
Gランクの聖望学園[2回適性検査型]は24年に104人が受けて1倍だった。11日午前で他に注目すべき入試回は、Fランクの春日部共栄[2回午前・医学午前]で、24年に61人が受験して1.74倍だったが、志望者数は9月の2.6倍増から10月には1割増と大きく動いているものの、25年は1倍台後半を目指す動きとなりそうだ。