転職、進学、起業。何事も新しい挑戦はまず第一歩が肝心だ。しかし、「失敗が怖くてその一歩を踏み出す勇気が出ない」、「失敗したら人にバカにされそう……」となかなか踏み出せない人も多いだろう。そんな悩みを持つ人に熱いエールを送ってくれるのが、漫画家・コハラモトシ氏の著書『一人反省会をして、いつも落ち込んでしまう人へ』(日本実業出版社)だ。今回は同書から失敗を恐れて挑戦に踏み出せずにいる方の背中を強く押す「失敗=挑戦の種」に変えるメソッドを抜粋してお送りする。※本稿は、コハラモトシ著・樺沢紫苑監修『一人反省会をして、いつも落ち込んでしまう人へ』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
失敗しない人なんて存在しないのに
なぜ人は「失敗」を恐れるのか?
失敗が嫌だと思う原因は人によるけれど、大きく分けて5つあると思います。
(1)人目が気になる
失敗した時に、人に笑われたり、バカにされるのが嫌だからというものです。「失敗したら恥ずかしい」という恐怖があるから、気にしちゃうってことですね。
(2)物理的な被害がある
お金が減ったり、ケガをする可能性があると、尻込みしちゃいますね。「お金が減るような損をしたくない」という心理は強く働くし、ケガをするようなリスクは負いたくないので。
(3)費用対効果を気にする
「かけた時間と労力に見合わない結果になるのが嫌」ということですね。失敗して何も得られなかったら無駄と感じちゃうので、これも「損をしたくない」という心理かもです。
(4)完璧主義だから
自分の能力的に完璧にやることが無理だとわかるから、最初から「やらない選択をする」というものです。0か100かの思考になりがちな、完璧主義的な理由です。「やって、できなかった」となるよりも、「やらないで、できなかったほうがマシ」と思っちゃうんですね。
(5)変化が怖い
変化することを恐れたり、面倒に感じたりすることもあります。変化を避けて現状維持を求める、「現状維持バイアス」ともいわれます。
『無意味』な失敗なんてない!
全ては自分自身を成長させるため
失敗を恐れる時、「なぜそう思うのか?」の原因を探るといいかもしれないです。
(1)の人目を気にしている場合が多いけど、今回の話は、(3)の費用対効果を気にして行動できない時の考え方になります。
このお話で行動できない原因は、「時間と労力をかけたのに何も得られないのが嫌」ってところで、逆にいえば、何かしらの成果が得られれば行動できそうです。
ならば、「挑戦」を「実験」と言い換えてみるのはどうでしょうか?
「実験」なので、「失敗して当たり前」と期待値が下がるし、「失敗は成功のもと」と、どんな結果も“次”につながるイメージが湧いてきます。