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私、嫌われてるのかな……
「なんとなく仲間外れにされる」という状況は、意外と多いのではないでしょうか。
仲間外れにされたと感じてショックを受けたことがある人もいると思いますが、私自身もそんな経験をしたことがあります。
なんとなく仲間外れされるというのはどんなものなのか、そして本当の仲間外れとはどう違うのかを考えてみました。
仲間外れの2つの種類
仲間外れには大きく分けて2つの種類があると思います。1つは、意図的に悪意を持って相手を傷つけようとする“悪質な仲間外れ”です。これは「いじめ」であり、かなり問題のある行動です。
そしてもう1つが、“なんとなく仲間外れ”です。これは悪意のないものです。たとえば、「この人は乗り気じゃなさそうだな」「あまり興味がなさそうだな」と感じて、あえて誘わなかったりするケースです。
こちらには相手を傷つけようとする意図はなく、むしろ相手の気持ちをおもんぱかっての行動だったりします。
無意識に発しているメッセージ
なんとなく仲間外れにされるケースによくあるのが、自分の態度や口調が「私はあまり興味がないですよ」というメッセージを無意識に発してしまっている場合です。
それを周りの人が忖度して、「この提案はこの人には響かないかもしれない」「誘わないほうがいいのかもしれない」と判断することがあるんですね。
つまり、嫌われているわけではなく、むしろ配慮からくる行動だったりするのです。
悪意のなさを区別する
しかし、「なんとなく仲間外れ」と「悪質な仲間外れ」を区別せずに受けとめてしまう人もいます。
特に、他人に嫌われることを極端に気にするタイプの人は、この2つを混同してしまい、「自分は仲間外れにされている」「嫌われている」と強くネガティブに考えてしまう傾向があるのです。
でも実際には、「なんとなく仲間外れ」の場合は、ただ空気を読んで誘われなかっただけであり、そこに悪意があるわけではないのです。
群れるのが得意ではなさそうな人
たとえば、みんなで群れるのが得意ではなさそうな人っていますよね。
その人のことを嫌いなわけではなく、むしろ好意的に思っているけれど、「この人はあまり群れるのが好きじゃなさそうだな」と感じることで、誘わない選択をすることもあるのです。
そうしたタイミングや雰囲気が重なって、結果的に「なんとなく仲間外れ」になってしまうこともあるわけです。
「なんとなく仲間外れ」は意外とよくあるもの
こうしたケースは、悪質な仲間外れとは明確に区別して考えたほうがいいと思います。
もちろん、悪質な仲間外れにあった場合はショックですが、そういう人たちはそもそも関わらないほうがいいので、気にしなくていいのです。
一方で、「なんとなく仲間外れ」に対して被害的になってしまうことのないように。むしろ、あまり気にする必要はありません。みんながあなたのことを嫌って避けているわけではないからです。
「なんとなく仲間外れ」は意外とよくあるものだということを知っておくだけで、少し気が楽になるかもしれません。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。