2000年に閉店、その後は記念館として
四半世紀にわたり存続してきた

1号店は2000年に通常営業を終了したが、正垣氏はその後もここの家賃を払い続け、現在は「サイゼリヤ1号店教育記念館」として生まれ変わった。運営管理は「千葉中小企業家同友会」が担当している。年に1回はここで正垣氏の講演会が開催されるほか、新入社員研修の場として活用され、創業の精神や企業理念を伝える教育施設としての役割も果たしている。
筆者は以前からここに行ってみたいと思っており、コロナ禍の前から何度か見学会の問い合わせをしていたが、何度聞いても答えは「未定」。諦めていたところ、2024年10月に「Shun Shirai 市川ソラまち展 in サイゼリヤ記念館」という写真展が開催されるという情報をSNSでつかみ、急遽駆けつけた。1号店の中に入れるまたとない機会だったからだ。

1号店は狭いため、写真展に訪れた人たちが全員同時に入ることはできない。入れ替え制で、ついに中に入った時には感激した。当時の内装やメニュー、調理器具などがそのまま保存されており、サイゼリヤの歴史を伝える貴重な施設となっている。
特に印象的なのは、開業当時から使用されていた調理器具類。厨房に入ると、調理器具から微かに焼き物の香りが漂っていた。