大きな病院のホームページなどで食事療法の情報を得ることもできますので、これをまねしてみてください。栄養バランスを崩さず、カロリーを制限し、痩せるための知恵を学ぶことができます。

 私も訳あって、5カ月間で20キロ超のダイエットを糖尿病食を参照して行いました。10年近くリバウンドもなく体重を維持できたので、ダイエットの本でも書こうかと思ったくらいです。しかし、新型コロナの影響で自宅にいる時間が増え、3時のおやつ習慣をもってしまったことにより、ダイエット本作家の夢は消えてしまいました。

「こういう食事が身体にいい」「○○ダイエットでやせる」といったようにテレビや雑誌などで話題になると、その食事パターンをまねする人も多いですが、どれも続けられなければ意味がありません。極端なやり方に走らず、適切な範囲でバランスよくカロリーを減らす。これがいちばん大切なのです。

「1日に30品目の食品を食べましょう」。どこかで聞いたことがあるな、と思う人もいるでしょう。これは1985年に当時の厚生省(現在の厚生労働省)が健康づくりのための食生活指針として掲げたスローガンで、以下の6つの食品群から万遍なく30品の食品をとることを推奨したものでした。

・肉、魚、卵、大豆・大豆製品(タンパク質)

・牛乳・乳製品、海そう、小魚(カルシウム)

・緑黄色野菜(ビタミン)

・淡色野菜と果物(ビタミン)

・穀類、イモ類、砂糖(糖質)

・油脂、脂肪の多い食品(油脂)

摂取する食品数が多い人は
認知症の発症率が低い

 しかし、30品もの食品を料理するのは負担が大きかったこと、6つの食品群に留意せずに偏った食品を多くとると、むしろ肥満などの心配もあること、30という品目に根拠はなく、およその目安であったことから2000年以降、公的に掲げられることはなくなりました。

 ですが、この「栄養素のグループを意識して、幅広い種類の食品を品数多く食べる」という考え方は、脳のためにとてもよいものだということがわかっています。

 国立長寿医療研究センターのグループが、女性においては1日に多種多様な食品を摂取することが要介護認知症のリスクを低下させるという論文を発表しました。