ベンチャーファームなら
法人経営の実践経験を積める
人材に関しても、新卒採用の加速が業界全体で見られる。BCGやアクセンチュアのような大手ファームのみならず、ベンチャーファームでも新卒採用に力を入れている。また、未経験者の採用や育成にも積極的であり、この動きはベンチャーにも広がっている。
例えば、創業10年前後のDirbato(ディルバート)やビジョン・コンサルティング、ノースサンドといった企業も、新卒を積極的に採用し、すでに千人規模の従業員を抱えている。
こうしたベンチャーファームは、人材の育成や働きやすい環境作りにも注力し、大手ファームと同等の待遇や経験を提供しようとしている。また、コンサル事業で得た資金を活用して新規事業を立ち上げ、社員に運営の機会を用意したり、自社経営への関与の機会を設けたりと、従業員に多様なキャリア経験の機会をつくっている。
つまり、ベンチャーファームなら、コンサル業務と自社事業の運営を兼任することで、大手ファームではなかなかできない経験が積める可能性も高い。これにより、新卒でも手を挙げれば法人経営の実践経験を積むことができうる仕組みとなっている。
理系のみならず文系の優秀な人材も採用対象となっており、文理はほとんど関係なくなっている。年収水準は全体的に上昇しており、実力を評価され、昇格を重ねたならば、数千万円の高額年収も実現可能な業界だ。
もし新卒の就職活動でライバルに差を付けたり、入社後にキャリアアップを目指すなら、「英語力やビジネス資格は加点要素となる。新卒の動向を見ると、英語力のある人材を積極的に採用する傾向が強まっていると感じる」(神田氏)。
国内系、外資系問わず、コンサルファームはグローバル対応のプロジェクトが増えているからだ。
コンサルファームの事業展開や組織作りは、今後ますます多様化し、業界全体で進化していくだろう。