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※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
共感とは何か?
今日は「共感する」ということについてお話したいと思います。共感について改めて考えてみると、実はとても難しいことだと感じます。
言葉で「そうなんですね」とか「大変でしたね」と伝えるのは簡単ですが、それだけでは本当に共感したことにはなりません。
共感とは「共通の感覚」と書くように、相手との共通の感覚を見出して、それを感じられたときに成立するものだからです。
すべてに共感する必要はない
大切なのは、相手のすべてに共感する必要はないということです。
すべてに共感しようとすると、共感できない点がたくさん見つかり、無理に共感しようとして葛藤が生じたり、表面的な言葉だけで共感を示してしまったりします。
それでは本来の共感とは違うものになってしまいます。では、どのように共感すればよいのでしょうか? まずは相手の話をじっくり聞くことが大切です。
患者さんを診察するときにも、最初は相手がどのような人なのかわからないので、どんな理由でここに来院したのか、その症状を丁寧に聞きます。そして、よく話を聞いていると、最初の印象が変わることがよくあります。
話を聞くことで共感のポイントが見つかる
最初は「こういう人かな」と漠然と感じていたのに、話を聞いていると違う面が見えてくることもあります。話を聞き続けることで、その人がいま感じていることだけでなく、違う側面にも気づくことができます。
このように話を聞いていくと、相手のすべてに共感できなくても、一部に共感できるポイントが見つかります。そこで「ここはわかるな」と思った部分を伝えれば、それが共感となりやすいのです。
ですから、共感するためには、まず相手の話を聞く。その中で共感できる部分を探すことがポイントになります。
まずは相手の話を受け止める
話を聞く前に、こちらの意見を押し付けたり、「あなたはこういう人ですよね」と勝手に決めつけたりするのではなく、まず相手の話を受け止めることが大切だということ。
そこから共感できる部分を見つけて、それを表現することで、相手も共感されたという実感を持つことができます。
逆に、十分に話を聞かないうちに、共感しようとして「大変でしたね」と言っても、相手には響きません。それは共感ではなく、ただの表面的な言葉に過ぎないからです。
共感は「共通の感覚」を大切にすること
共感をしたいなら、まずはしっかりと話を聞き、共感できる部分だけに焦点を当てて話を広げていけばよいのです。
すべてに共感しようとしなくてもよいのですから、「共感なんてできない」と思う必要はありません。共通の感覚を持てる部分を探し、それを大切にすればよいのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。