女子校の勢いが増すFランク
続いて、Eランクで年々倍率が低下している三つの大学系列校を見ていこう。東洋大学京北[1回](83人・2.86倍)は、2022年3.97倍から23年は3.14倍と緩和傾向が続いたが、10月1割半増、11月4割増、12月6割増と志望者数を大きく伸ばしているため、25年は3倍に戻した上で、23年実績を超えてどこまで22年実績に迫ることができるか。
日本大学藤沢[1回](77人・1.43倍)も22年2.85倍から23年1.91倍と年々緩和が進んだ。同様に、2割増、2割半増、3割半増とこちらも好調で、25年は2倍に向けて受験生が集まりそうな情勢にある。関東学院[一期A](70人・3.04倍)も22年5.28倍から23年6.19倍、そして24年に半減と大きく緩和している。11月は2割半増だったが、12月は1割増と落ち着いたことで、25年も3倍台を維持することになりそうだ。
10月・11月2.2倍増と大きく志望者数を伸ばした順天[1回A](57人・2.85倍)は、12月も6割半増を保っており、25年は3倍を超えて4倍乗せもあり得る状況だ。日本大学[A-1日程(AF)](39人・4.88倍)は、3倍増、2.4倍増、12月には3.3倍弱増と恐ろしいほどの勢いで志望者数を増やしている。25年の倍率は、合格者数(24年は8人)の出し方次第で予想は困難だが、2桁倍率になってもおかしくないだろう。
ドルトン東京学園[一般2月1日4科型](65人・2.71倍)は、半減の状況から2割減まで戻してきた。英語入試も加わる25年は、2倍台半ばを維持できるだろうか。湘南学園[A日程](51人・3.4倍)は、22年1.55倍、23年2.74倍と大きくハードルを上げてきた。その反動からか、夏休み明けには3分の1にまで激減したものの、11月には前年並みに戻し、12月は1割弱増と続伸の気配も見せている。25年は3倍台半ばが期待される。
ここからは、24年に合計2924人が受験したFランクとなる。31校の入試回のうち100人以上の受験生を集めたものは11にとどまる。50人以上のものを中心に見ていこう。志望者数が増加基調にある入試回が多い。一方で、実倍率が2倍に届かない入試回も多く、受験生には優しい。
Fランク最多の309人が受験した女子美術大学付属[1回]は、2.6倍(23年2.58倍、22年2.9倍)と人気が続いている。志望者数は10月の1割減から1割弱増、12月は1割強増と伸びており、25年は22年実績まではいきそうもないが、2倍台後半をうかがう展開に。
女子校を続けよう。25年に創立150周年を迎える女子教育のパイオニア、跡見学園。197人で2.29倍(23年1.97倍)の[一般1回]は、11月の2割強増から12月は3割半増と大きく伸ばしており、25年は2倍台半ばをうかがう展開だ。143人で1.7倍(23年1.65倍)の江戸川女子[一般4科1回]は1割増前後が続いていたが、12月に1割強減となった。25年は、1倍台半ばとなりそうだ。
137人で1.3倍(23年1.48倍)の神奈川学園[A日程午前]は2割半増、6割増から12月は3割半増と人気で、25年は1倍台半ばとなりそうだ。131人で1.27倍(23年1.29倍)の十文字[1回]は5割弱増が続いており、25年はやはり1倍台半ばを目指す展開で、同じく[思考作文]は30人・1倍(23年1.23倍)と受けやすくてとても受かりやすい狙い目の入試回である。