Cランクの共学校は増加基調

 Bランクで高倍率の2校も見てみよう。二つの入試区分がある開智日本橋学園[特待生][特待算数]は、109人で4.36倍(2023年3.56倍、22年4.77倍)と高倍率だが、12月でも4科の前者が2割増、算数1科の後者が4割強増と人気化しており、25年は両者合わせて5倍を目指す展開となりそうだ。

 やはり二つの入試区分がある広尾学園小石川[2回]は、108人で6倍(23年3.75倍、22年6.83倍)の[本科]と85人で5.67倍(23年5.73倍、22年8.8倍)の[インターナショナルSG]があり、開智日本橋学園よりさらに高倍率となっている。前者は前年並み、後者は10月の前年並みから12月には4割半減まで急速に志望者を減らしており、25年に後者は大きく緩和する可能性が出ている。

 ここからはCランクを見ていく。午前と同じ14校のうち女子校は午前の2校から午後は5校に増えている。志望者数合計が100人以上の学校は7校(うち5校が女子校)である。

 二つの1科入試を合わせると、1日午後では最多の762人が受験している山脇学園。算数1科でブームを起こし、女子校ならではの国語1科も導入したことで、午後入試を女子受験生に定着させた“1日午後入試の女王”とも呼ぶべき存在だ。緩和傾向が続いたこともあり、志望者数は上昇基調にある。461人で2.83倍(23年3.37倍、22年3.7倍)の[国語1科]は12月に1割弱増、301人で2.03倍(23年2.34倍、22年2.42倍)の[算数1科]は1割強増となっており、25年は国語が3倍弱、算数が23年実績に迫りそうだ。

 次いで、山脇学園と同じく算数と国語の午後1科入試の導入で復活を遂げた湘南白百合学園は485人を集め、3.07倍(23年3.15倍、22年1.58倍)と人気化している。12月の志望者数は、[算数]が1割減、[国語]が3割弱減と減らしており、25年は3倍を割ることになりそうだ。

 東京女学館[一般学級2回]は333人が受けて2.31倍(23年1.92倍、22年1.79倍)と年々ハードルが上がってきた。10月1割増、11月1割半増と人気は上がっていたが、12月に微増となり、25年は2.3倍台にとどまる見込みだ。

 これが最初の入試回となる普連土学園[1日午後算数]も1科入試で、317人で1.44倍(23年1.31倍、22年1.38倍)とこちらはだいぶ受けやすい。そのためか、12月の志望者数は3割増で、25年は1倍台後半にはなりそうだ。302人が受験、2.44倍(23年2.28倍、22年2.06倍)と徐々にハードルが上がっている品川女子学院[算数1教科]は微増で、25年も2倍台半ばとなるだろう。

 共学校に1科入試はなく、2科以上を受けることになる。横浜方面の女子受験生定番の併願先から見ていこう。302人で2.22倍(23年2.09倍、22年2.28倍)の神奈川大学附属[1回]もこれが初回入試で、25年も前年並みとなりそうだ。桐蔭学園中等教育学校[1回午後]は196人で2.18倍(23年1.76倍、22年1.65倍)と人気が上がってきたものの、志望者数は1割減から2割強減に緩んでおり、25年は2倍割れになるかもしれない。