カリスマ創業社長が突然の「社長交代」宣言――組織を強固にしたふたつの「イズム」〈PR〉

成果報酬広告のASP事業を軸にwebコンサルティング事業などを展開。設立16年のベンチャーでありながら、東証グロースへの上場を実現。さらには1年で年商を28億円伸ばすなど、国内外で成長を続けている株式会社レントラックス。同社代表取締役社長である山﨑大輔氏は、平社員から突然社長に就任し、現在まで奔走している。本連載では、書籍『イズム経営――社員からも顧客からも愛される企業文化のつくり方』の著者である山﨑氏が、今に至る道のりと上場の裏側を語る。

平社員から社長にまさかの昇格

 創業社長である金子英司から「山﨑に社長を交代したいと思っている」といわれたのは、2018年の年明けのことでした。上場からわずか2年半ほどのタイミングです。青天の霹靂とはこのことでした。当時の私は役員でさえありません。平社員から社長になるなんて、まったく予想していませんでした。

 金子は当時、44歳。念願の上場を果たしたばかりで、一般的にいえば、社長として、そしてビジネスパーソンとして脂が乗りに乗っている時期です。誰ひとり「社長退任を考えている」なんて思っていなかったはずです。

 私が社長になるべき理由を話してくれました。「社長の名刺で営業したほうが、規模の大きな企業も受け入れてくれやすくなる。営業も採用も人事もメンバーの育成もやってきたんだから、社長になってもおかしくないでしょ。できるっしょ……」そんないい方だったと、薄っすら記憶しています。

 突然社長に指名された衝撃は和らぎません。「私でいいのか」とも思いました。それまで経営の仕事はほとんど経験がなく、社長になるまでの助走期間とでもいうべき時間の過ごし方をしていなかったからです。

 1月末に打診され、役員に共有をして社長就任が確定し、2月頭にはプレスリリースを出しましたから、ほぼ即決です。当時も予定が毎日ギッシリ詰まっていましたので、ゆっくり考えている時間もありませんでした。「私で大丈夫ですかね?」との問いに、金子が「当面は伴走していくから大丈夫」といってくれたので、私も安心してイエスといえたのです。