しかし、いくらよいルールを設定しても、形骸化してしまっては意味がありません。「イズムは給与や役職には関係ない」と思われてしまうと、どうしても優先順位は下がってしまい、イズムを継承することはできないでしょう。
一方、イズムが給与・役職に連動していると、やはりメンバーたちの意識が変わるものです。「イズムをしっかり体現して給与・役職を上げよう」と努力しますし、リーダーたちも、部下と面談するときに「この半年でこの項目が伸びているから、もっと伸ばしていこう。具体的にはどうやっていこうか?」と指導することができます。この仕組みが、レントラックスらしさの継承につながっています。
私自身、高度なスキルを有している人間ではありません。そんな私が、なぜお客様からよくしていただき、多くのお声がけをいただけるのか。それはおそらく、私という人間を気に入ってもらえているからでしょう。「持てるスキルを発揮できるのは、人間性があってこそ」。私はそう信じています。
これから先、レントラックスは今まで以上に海外進出を推進するでしょう。私が次の社長を選ぶときには、私以上に優秀でタフネスさがあり、レントラックスイズムを継承してくれるのはもちろん、海外にまで伝播する力のある人材を選ぶのではないかと思います。
『イズム経営 社員からも顧客からも愛される企業文化のつくり方』山﨑大輔・著/1600円+税/ダイヤモンド社刊