今井 つまり「手品の福島さん」という代名詞を作ったということですね。
福島 そうです。こうした代名詞を作ることで、お客様が自然と僕のことを人に話してくれて、お子さんのいる家庭などに紹介してくれるようになりました。
今井 僕も自分をより認識してもらうために、「スカーフ」をつけた写真を撮って、登壇イベントの案内ページに載せていた時期がありました。イベント当日も、そのスカーフをつけて登壇するんです。それまでスカーフは一度しかつけたことがありませんでしたが、これがきっかけで「スカーフの人」と認識されるようになりました。
福島 それはいいですね! そうやって覚えやすい特徴を作ると、自分がいないところでも話題になりやすいですし、紹介もされやすくなりますよね。
自分が「ありたい姿」を大切にする
今井 ここまでお話をお聞きしてきて思いましたが、福島さんは日常の当たり前を疑ったり、記憶に残る仕掛けやアイテムを考えたりと、人と違ったことをするのが好きですよね。
福島 そうなんです。それはすべて、かつて勤めていたリッツ・カールトンで「自分のあり方を持つ」ことの大切さを学んだからです。ルールのないホテルだったので、何においても「自分はどうしたいのか」を問われる環境でした。
今井 営業でも「自分がどうありたいか」を考えた結果、人と違う工夫が生まれて、お客様に選ばれる営業になれたんですね。
福島 はい。たとえ結果が出なかったとしても「自分らしさ」を貫きたいと考えていました。
成績を優先するがあまり、機能やお客様のメリットだけを強調して営業活動をしていた時期もありました。それで高い成績を叩き出したこともありましたが、全然楽しくなかったし、後悔しました。「これ、僕じゃなくてもいいな」って。いちばんつらかった経験ですね。
今井 自分の「あり方」を無視した営業をしていると、やがて苦しくなってしまうということですね。
福島 おっしゃる通りです。自分の価値観や信念にそった営業をするから、共感してくれるお客様や応援してくれる人とつながることができて、自然とリピートや紹介も増えていくのだと思います。
まとめ:より多くのお客様とつながるには
今井 多くのお客様とつながるためのポイントを教えてください。
福島 次の3つが大事ですね。
1:SNSを活用して「1対多数」の関係を作る
2:覚えてもらえる「代名詞」を作る
3:自分の「あり方」を大切にする
今井 これらを意識すれば、自然と紹介が増えていきそうですね!
福島 そうですね。自分らしさを活かし、楽しみながら工夫していけば、自然と認知は広がっていくと思います。
(本稿は、営業職の情報プラットフォーム“YEALE(エール)”企画によるトークセッション形式のイベント「セールスハッシュタグ」で行われた、『記憶に残る人になる』の著者・福島靖氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏の対談をもとに構成したものです。こちらから、対談の動画も視聴できます)