書店復興のキーマンは石破首相
約束は実現されるか?
地方書店の復興に注力する角川氏は、書店経営者や自治体との連携の重要性を訴える。「地方で書店を開業したいという希望を持つ人は多いが、資金やノウハウが不足している。この問題を解決するために、地方自治体や総務省と連携して支援策を進めています」
角川氏がキーマンとして期待しているのが石破茂首相だ。石破氏は、自民党の「書店振興プロジェクトチーム」のメンバーとしても活動しており、書店復興に向けた取り組みを主導する立場にある。「石破首相には、書店振興の課題に本気で取り組んでもらえると信じています」
角川氏は、今年5月に自民党総裁になる前の石破氏と直接会談した際のエピソードを振り返る。 「総理になったら書店振興プロジェクトを国家レベルで進めてくれますか、と率直に尋ねたんです。そのとき石破さんは即座に『やります』と答えてくれました」
角川氏は、石破氏がその約束を実現することを強く望んでいる。「彼が掲げた目標が実現されれば、書店が再び地域文化の中心としての役割を果たせるようになると期待しています」
「良い本」を作るだけではダメ
webプロモーションも強化
角川氏は、自身の出版社での取り組みとして、小説をコミック化し、ウェブで公開する新たな試みを語る。「若い世代に本の魅力を伝えるためには、まずその入口を広げる必要があります。コミック化はそのための強力なツールです。出版文化を再興するには、形を変え届け方を変える必要があります。ウェブで新しい読者層を開拓し、最終的に紙の本の販売につなげるのが狙いです」