「おいしい」「楽しい」体験を
共にすることも脳には快感となる

「つり橋効果」といわれ、揺れるつり橋と揺れない橋のそれぞれで女性が独身男性に声をかけると、揺れるつり橋で声をかけた方が男性の反応が良かったという研究に基づいています。これは揺れる橋を渡るときの緊張感が、女性への恋愛感情と誤認されたことが一因と推測されています。

 似たような形で2人でスリルを味わってもいいですが、食事をする、映画を見に行くなどの「おいしい」「楽しい」体験を共にすることも脳には快感となり、良い影響をもたらすでしょう。片思いの人も、カップルも楽しいドキドキ感を取り入れてみてください。

 さて、恋愛関係になったとしても、それが持続するかどうかは「お互いの努力と魅力の度合い」次第だと思います。

褒め言葉やねぎらいも
脳は「報酬」と判断する

 実は、恋愛とは「生理的報酬を受け取ること」なのです。ある人を「すてきだな」と思い、「好きという気持ち」(恋愛感情)が起きる。するとその人と会えたり、カップルになったりするなど何かが達成されれば幸せな気持ちになって、生理的報酬を受け取る=ドーパミンが分泌されます。

 恋愛だけではなく絵画などの芸術作品を見たり、人の美しい行動を見たりしてもドーパミンが分泌され人に充足感をもたらしますが、それは社会的報酬といわれ、恋愛とは区別されています。

 ですから相手に会えないときも、メールだと文字のみですが、電話であれば相手の声の抑揚が、オンラインでつながれば表情やしぐさが分かりますから、リアルに会うよりも息遣いまで感じることは少なくても、何かしらの「生理的報酬」を受け取り、相手にもまた与えることができるというわけです。

 さらに会えない間にお互いが自分を磨いていれば、次に会ったときに会えない(報酬を受け取らなかった)期間を打ち消すほどの、大きなものを与え合うことができます。

 会うときは笑顔で、褒め言葉やねぎらいなどのポジティブな言葉をかけてあげることも、脳は報酬と判断します。

 バレンタインにチョコを渡すなら笑顔で贈り、それ以外のときはできる限り接触回数を増やして、自分の情報を相手に伝え、相手が話し出したら共感を示す。そして時には楽しい体験を共にする。片思いの人もカップルも夫婦も親密度がアップし、きっと良い関係が築けるはずです。