ものすごく売れてる軽自動車「スペーシア」の派生車種「スペーシアギア」

 スズキの軽自動車、スペーシアが好調である。2024年には合計で16万5679台も売れている。この数字は前年比35%の伸び率であり、瞬間風速的ではあるが、絶対王者ホンダのN-BOXを抜いた月もある。

 そのスペーシアに、派生車種の「スペーシアギア」が追加された。スーパーハイトワゴンをSUV“風”に仕上げ、広い室内空間とアクティブなスタイルを融合させた、新しいジャンルのクルマである。

 撥水加工を施したシートや防汚タイプのラゲッジフロア。屋根にはルーフレールが標準で装備され、“アウトドア感”を演出している。価格帯は最安の自然吸気2WDモデルが195万2500円。最も高いモデルはターボの4WD・2トーンルーフ仕様で221万7600円だ。

現行型スペーシアギア。HYBRID XZターボ 2トーンルーフ(広報写真)現行型スペーシアギア。HYBRID XZターボ 2トーンルーフ(広報写真)

 スペーシアギアはどのような背景で開発されたのか。
 スズキのポートフォリオの中では、どのような立ち位置にあるのか。
 開発責任者に話を伺った。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):好調ですね、スペーシアギア。SUV風、アウトドアテイストを付加した軽スーパーハイトワゴンは、三菱から「デリカミニ」、ダイハツの「タントファンクロス」、ホンダからは「N-BOX JOY」と、各社出揃った感があります。そもそもこのジャンルを切り開いたのはスズキの初代スペーシアギアと理解しているのですが、この理解で正しいでしょうか?

スズキ 商品企画本部 四輪軽・A商品統括部 鈴木猛介さん(以下、鈴):はい。正しいと思います。先代のスペーシアが2017年12月に出て、1年後の2018年12月に初代のギアを出しました。それまでこういう風なクルマは、他にありませんでしたので。