ディズニーで珍しくない「おひとり様」
USJでは、それほど流行っていない?

 翻って日本のテーマパーク業界を見てみると、東京ディズニーリゾートにはおひとり様の来園が珍しくありません。ところが、大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)では、東京ディズニーほどは流行っている様子がありません。なぜでしょうか?

「ひとりディズニー」に関しては、みっこ著『ひとりディズニー50の楽しみ方』(サンクチュアリ出版、2021年)という本が人気です。「ひとりディズニー歴16年の最強Dヲタが贈る、ディープに楽しむための完全ガイド」などと紹介されています。Dヲタとは、「ディズニーオタク」のことです。

 この書籍だけではありません、ウェブで検索すると、以下のような記事が出てきます。

・「ひとりディズニー行ってみた!怒涛のリアル体験レポート」オレンジページnet(2024年7月1日)
・「大人おひとりディズニー」朝日新聞デジタルマガジン(連載中)。
・「男の1人ディズニー来園に「みじめ」「気味悪い」とSNSで賛否勃発…「寂しい人?」「何が悪い?」日本のファンたちの本音を聞いてみると…」集英社オンライン(2025年1月29日)

 中でも筆者が注目したのは、集英社オンラインの記事です。アメリカ・フロリダ州にあるディズニー・ワールドに、32歳男性がひとりで行った際に起きたトラブルをつづっています。

 翻って、日本人はおおむね、「ひとりディズニーは珍しくない、悪くない、普通」と考えているようです。筆者も、ひとり客が多いことを複数のキャスト(ディズニーで働くスタッフ)から聞いています。特に常連さんほどひとりで頻繁に来るそうです。

USJに「おひとり様」はいない?
現地に出向くと……

 一方で、「ひとりUSJ」は、それほど聞きません。筆者は24年11月後半に2日連続でUSJを訪れました。そして実際に現地で、おひとり様客がほぼいないと感じました。

 USJの客は関西人が多いからか、一緒に行った人と声を出して笑う、叫ぶことができる楽しみ方がウケていると、筆者は長年テーマパークの研究をして感じています。関東人が多いディズニーの客とは土地柄、地域柄、県民性が違うのです。

 東京ディズニーとUSJの客層の違いは、『「ひとりディズニー」拡大にウォルト・ディズニーもびっくり?背景に潜む「2つの格差」』でさらに詳しく分析しています。

USJPhoto:ymgerman/gettyimages
「マリオカート~クッパの挑戦状」「マリオカート~クッパの挑戦状~」 Photo:Diamond