遅刻・欠席の常習犯
プライドが高い「勤務態度不良型」
2つ目の類型として挙げられるのが、勤務態度が不良な人です。
一見すると個人の問題のように見えるこのタイプも、実は組織全体に大きな影響を及ぼす存在です。具体的には、遅刻や欠席が多い、チームで決めたルールやポリシーに自分は例外だと主張して従わない、協調性が著しく低い、他のメンバーが自主的にサポートを申し出ても、プライドの高さゆえにそれを受け入れようとしないといった特徴を持ちます。そうした態度を改善しようという意思がまったく見られないということがあります。
基礎能力は高いため、慢心から向上心が全くないというのもこのタイプに含まれます。「私は頭がいいんだ」という態度が鼻につき、チームワークを乱すような言動を繰り返す。せっかくの能力も、その態度のせいで周囲との摩擦を生んでしまう。
さらに、このようなタイプの人は往々にして、自分の役割以外の仕事には一切関心を示さず、困っている同僚がいても見て見ぬふりをする傾向があります。
このタイプの問題の深刻さは、同じチームのメンバーから「あの人とは一緒に働けません」という声が上がることにも表れます。直属のマネジャーが対応に追われ、最終的には人事部門まで介入することになるケースも少なくありません。本来ならば組織の発展や他の社員の育成に向けられるべき上司や人事のエネルギーが、一人の問題のある社員への対応に消費されてしまうのです。
勤務態度不良型の特徴は、その行動パターンが比較的早い段階で表面化します。新しい職場に入って間もない頃から、遅刻や欠席、提出物の遅れといった問題が目立ち始めます。しかし、本人は自分の行動を問題視せず、むしろ「こんなことで目くじらを立てる方がおかしい」と開き直ります。その態度は、時として高い基礎能力や専門性によって正当化されることがあります。
確かにその人がいないと回らない業務や、その人でなければできない仕事があるかもしれません。しかし、どんなに高い能力を持っていても、基本的な勤務態度に問題があれば、それは組織全体にとってマイナスになってしまいます。
このようなタイプの人材は、自分の非を認めることが極めて難しく、指導や注意を受けても素直に受け止めることができません。そのため、同じ問題が繰り返され、改善サイクルが機能しないという悪循環に陥りがちです。