月5000円でも1万円でもいい
定年後の「お小遣い」が重要

 配偶者の有無よりも、幸福度に差が出るのは、「体や心が元気」であるかどうかです。「自分の体の健康 」「自分の心の健康」が9割超 で、まず第一に自分が健康であるために、散歩したりスポーツジムに通うシニアが増えています。そして、ストレスが溜まらないように、自ら気を付けて、瞑想や腹式呼吸法などの習い事に参加する人もいます。

 総務省の家計調査(2024)では、 こういった教育・娯楽に月平均で3万円も支出しています。50代前半で約3万円、後半には3万4000円と増えています。その後は微減していますが、大きく減ることはありません(60代は3万円、70代前半は2万6000円、後半は2万4000円なので、たぶん、そういえるかと思います)。

 生け花、習字や料理など習い事を選ぶ際には、高齢になっても通い続けられるところ、例えば階段が少なかったり遠くない場所を選んでもいいかもしれません。

 それから「良い人間関係に恵まれていること」「自分の自由になる時間があること」「やりたいことができること」も、幸福度の差となっていました。

 さらに差が大きかったのは、「保有金融資産」「1カ月で自由に使える金額」でした。1カ月に1万円でも自由に使えるお金が増えることも幸福度につながるわけですから、今からでも、その分を蓄えるといいでしょう。

 つまり70代は野菜、魚など健康に良い食品を購入し、本を読んだり、習い事に出かけて4つ以上の趣味や活動をしており、自由度が高いと幸福度が高まることになります。

 配偶者と仲が良ければ幸福度が高まりますが、そうでなければ、友人や趣味が十分にカバーできるということになります。さらに1カ月に使える自由なお金が少しでも増えることは自由度が高まりますので、月5000円でも1万円でも定年後のお小遣いのために貯めることが大事です。こういったことで幸福度に差が出るので、これから意識して始めてみてはいかがでしょうか。