エアトレックはカテゴリー的にはMサイズのSUVになりますが、全長が4500mmを切り、全高が1550mmに抑えられたコンパクトさが魅力で、ランサーエボリューションと同じ2Lターボエンジンを搭載するターボRも設定されたことから、「ランエボSUV」とも呼ばれたスポーティなモデルでした。

初代アウトランダーは2005年登場

 2005年10月に登場した初代アウトランダーはボディサイズが一回り大きくなり、MサイズのSUVらしいスタイルに。乗車人数は2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りをラインナップ。現在のアウトランダーの利便性はすでに初代で採用されていたのです。

初代アウトランダーのリアスタイル初代アウトランダーのリアスタイル(広報写真)

 初代アウトランダーのよかったところは、バックドアが上下2分割式になっていたこと。これがすごく便利で、上部ドアだけを開ければ、荷崩れを気にせず荷物の出し入れができたし、下部のドアを開けるとベンチのように座ることができ、野外でくつろぐのにちょうどいい感じでした。

初代アウトランダーが採用した、ロックフォードフォズゲートのサブウーハー初代アウトランダーが採用した、ロックフォードフォズゲートのサブウーハー(広報写真)

 オーディオはアメリカのロックフォードフォズゲートを採用。ロックやダンスミュージックが気持ちいい低音がズシズシ来るチューニングで、ラゲッジルームに「どうだ!」と言わんばかりに設置されていたサブウーハーがカッコよかったんですよね。

2代目アウトランダーにはすでにPHEVモデルがあった

 アウトランダーが大きく変わったのは2012年10月に登場した2代目の時。この世代からプラグインハイブリッドモデルが加わったのです。

2代目アウトランダーにラインナップされたPHEV2代目アウトランダーにラインナップされたPHEV(広報写真)

 三菱は2009年に軽自動車のi(アイ)をベースに開発した電気自動車「アイミーヴ」を発売。そのため、PHEVシステムも電気自動車に近いものになります。日常の多くの時間をEVとして走行し、バッテリーの電気が減るとエンジンが動き出して発電しながらモーターで走行するシリーズハイブリッドになり、高速道路などエンジンのほうが高効率なシーンでは、エンジンとモーターを併用しながら走るパラレルハイブリッドになります。

 アウトランダーPHEVにはV2H、V2L機能もあるため、野外で家電などを使うことができるのも便利な点です。

2021年12月にデビューした3代目アウトランダーの前期モデル2021年12月にデビューした3代目アウトランダーの前期モデル(広報写真)

 2021年12月に登場した3代目アウトランダーは、日本では全グレードPHEVになりました。PHEVシステムは新世代のものになり、EV走行換算距離が87kmに。さらに2024年10月のマイナーチェンジでEV走行換算距離が106kmにアップしています。

 次週からアウトランダーの開発者インタビューをお届けします。お楽しみに!

(AD高橋)