芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、最高に「ととのう」ための入り方を、本書から抜粋して紹介していきます。

【サウナー医師が教える】冬の外気浴が寒い?いいえ、体は“魔法瓶”になっていますPhoto: Adobe Stock

水風呂から出たらまずタオルで身体を拭いて

水風呂の後は、いよいよサウナの神髄、外気浴です。
水風呂から出たら手早く体を拭き、外気浴に向かいましょう。体を拭くのは、気化熱で冷めないようにするためです。乾いたタオルのほうが水気をきれいに取れますが、濡れタオルでもかまいません。「湿り気のあるタオルで拭いたほうが湿度が保たれていい」と言う人もいますし、お好みで大丈夫です。

「水風呂で体が冷えているのに、冬に外気浴なんてしたら寒くて死んでしまうのでは」と思うかもしれませんが、全然辛くありません。なぜなら、この時の体は魔法瓶のように熱をとじこめているからです。

実は、深部体温は、サウナに入る前よりもこの時点で上がっています。1回サウナに入ることで0.8度上がり、水風呂に入ることで0.2度下がりはするものの、結果的に1セットで0.6度上がった状態にあります。しかも、水風呂につかったことで皮膚表面の毛穴や血管が閉じているので、熱が放散されにくくなっています。だから、この時の体はまるで、お湯が入った魔法瓶のようなもの。ぽかぽかして、とても気持ちがいいです。

横になると別次元の「ととのい」が!

体勢は、ととのいイスに座るか、スペースがあれば横になるのがおすすめです。横になると、血流が足などの末端に流れやすくなり、深部の熱が末梢に分配されることで、副交感神経がより一層優位になります。

横になれるスペースを確保できる施設もそんなにないので、実際には難しいですが、可能なら、次元の違う「ととのい」が待っています。

あまりよくないのは、起立の状態。立っていると、下半身の血液を重力に逆らって循環させるために、心臓に負担がかかります。

外気浴タイムは、季節にもよりますが、5~10分程度。足の末端が少し冷たく感じる程度までです。1セット終えたら水分を補給して、3~4セット繰り返しましょう。

*本記事は、「医者が教えるサウナの教科書」から、抜粋・編集したものです。