外国人窃盗団を検挙する現状
どうやって捕まえているのか

 このような特徴を踏まえ、筆者が所属する危機管理コンサルティング会社では、外国人窃盗団の確保に努めてきた。外国人窃盗団を検挙につなげるのは、店舗で現行犯で捕まえる方法と、警察と連携して警察官に捕まえてもらう方法がある。

 店舗で捕まえる方法としては、過去の事件を分析して、店舗で警戒する。彼らはドミナント的に特定地域で万引きを繰り返した後、店舗や警察からの目をくらませるべく、移動してまた別の場所に現れる。そのため最も困難を極めるのは、全国のどこの店舗に現れるか分からない彼らの行動を予測することなのだ。

 予測に重要なのは、過去に発生した事件の情報をしっかり収集して分析すること。地域、日付け、曜日、時間帯、天候、店舗の立地や規模など、さまざまな要素に着目する。集計して分析を行うと、そこはやはり人間の集団なのでクセや傾向が見えてくる。それが読めると、予測して現行犯で確保・検挙できる可能性が高くなる。

 警察官に捕まえてもらう方法としては、こうした分析結果をあらかじめ管轄の警察署に情報提供し、捜査および内偵・張り込みをしてもらい通常逮捕、もしくは警察による現行犯逮捕で捕まえる。

 ただし近年はあまりにも外国人窃盗団による万引きが多発しているせいで、所轄署に被害届を出しても、警察が同一犯による広域連続窃盗事件であることを把握するのも難しい局面が見受けられる。

 殺人や強盗などの凶悪犯罪であれば警察は即座に連携して捜査を行い、実態把握・解明に努める。一方、万引きなどの犯罪においては捜査経済の観点からそうはいかないところもあるようだ。そこで、警察に協力してもらうため、必要に応じて警察に情報提供を行っている。

「この万引き犯は、広域で連続して万引きを行う凶悪な外国人窃盗団です」などと資料を使って説明し、継続して防犯カメラ映像などの情報提供を行うことで、警視庁や県警本部の捜査三課、国際捜査課に理解と協力を得ている。