怖い夢、悪夢ではなく、いい夢を見ながら眠りたい。誰しもがそう思ったことがあるだろう。いい夢を見て、さらに現実も良くなれば最高だ。人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、「幸せな夢をデザインする方法」によって現実世界のアサーティブネスが良くなると述べる。そんな方法を教えてくれているのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』。本書では、心理学的なアプローチで睡眠を改善しつつ、人生が良くなる方法を多数紹介している。今回は本書から、「幸せな夢をデザインする方法」を紹介する。(文/小川晶子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

無意識さんの力でぐっすり眠れる本Photo: Adobe Stock

怖い夢を見ずに、見たい夢を見る方法はあるか?

「怖い夢、見たくない」

 これはうちの次男(小二)の口ぐせだ。

 夜、寝る時間になると100%言う。物心ついた頃から、毎晩毎晩言い続けている。

「怖い夢、見たくないよね。いい夢を見ようね」

 こちらも毎日そう言い続けている。

「楽しいことを考えながら寝たら、いい夢を見られるんじゃないかな?」

 口ではそう言っていたが、夢をコントロールすることなんてできないと思っていた。

 私自身、子どもの頃は「見たい夢」を絵に描いて枕の下に入れて寝たりしていたが、残念ながらその絵が本当に夢になった記憶はない。

 遅刻しそうで焦っている夢ばかりを見る。

 どうすれば見たい夢を見られるのか? そんなことを考えていたから、本書をめくったとき「幸せな夢をデザインする方法」というページに興味を惹かれた。

見たい夢を想像すれば、現実が良くなる

 夢を自由にデザインできるとしたら、どんな夢が見たいだろう?

こんな想像をすることが、「幸せな夢をデザインする方法」です。(P.139)

 夜、布団に入ったときに、見たい夢を想像する。夢の中ではどんなことだって実現可能なので、自由に想像を広げれば良い。

 宇宙旅行に行ってもいいし、大豪邸のプールサイドでのんびり本を読んでもいい。フィギュアスケート選手になって氷上をくるくる回ってもいいのだ。

これは「アサーティブネス」の訓練にもなります。(P.139)

 アサーティブネスとは、自己表現や自己主張のこと。

「いつも自分ばかりが我慢している」「言いたいことがあっても相手にうまく思いが伝わらない」といったストレスがある人は、この方法でどんどんストレスが減っていくという。

 そして、現実にアサーティブネスができるようになっていく。強引に我を通すわけではなく、素直な気持ちや意見を相手に配慮しながら自然と伝えられるようになる。これは大変興味深い。

 実は、「幸せな夢をデザインする方法」は、よく眠れるようになる方法の一つとして紹介されている。

 嫌なことを思い出したり、将来を不安に思ったり、寝る前にいろいろ考えてしまってなかなか眠れない人に提案しているものなのだ。

「幸せな夢をデザインする方法」は、見たい夢を想像しているうちに自然と眠れるようになり、ストレスが減って、アサーティブネスもできるようになるというすごい方法だ。

「見たい夢を見る」以上に、現実が良くなるのだからそのほうが良い。

 実際やってみると、自由に夢をデザインできるのにもかかわらず、いつもの自分のパターンを想像し始めてしまう。だから、途中でつまらないと思ったら、ちがう夢をデザインする。

 これもちがう、これもちょっとちがう……とやっているうちに、「自分が本当に求めているもの」に近づいていき、いつの間にか心地いい眠りにつくという。

 私の場合は、こんな感じだった。

 どんな夢を見たいかな……、空を飛ぶ夢? いや、見たことあるけど浮遊感があって怖いんだよな。
 月に行って、重力は地球の6分の1だから、ピョンピョンとはねるように歩いているのはどうだろう。
 面白い、いや、やっぱり怖い。遠くに地球が見えているけど、真っ暗だ。
 地球に帰れなかったらどうしよう。ダメだ、どうも現実的に考えてしまうな……。
 もっとファンタジー寄りにして考えてみよう。そうだ、七福神と一緒に宝船に乗って旅をする。
 キラキラ輝く海を見ながら釣りをして、大きな魚が釣れる……。

「いい夢見たな~」と気持ちよく起きたら……

 船の上で宴会をしているうちに眠りについた。

 これはかなり楽しい経験だった。その日、本当に夢の中に宝船が出てきたかどうかは覚えていない。しかし、起きたときに「いい夢見たな~」と思ったのである。

 そのうえ、朝から気分よく仕事を始めたところに、とても嬉しい仕事の話が舞い込んできた。

「えっ? 宝船効果?」とつい思ってしまった。

 さすがにたった一日でそんな効果が出るとは思えず、今回はたまたまだろうが、本書の著者である大嶋信頼氏の言うようにアサーティブネスができるようになるのなら、結果として「良い話」が来るのはじゅうぶんありえる。

 もちろん、この話は次男に伝えた。嬉しそうに聞いていた。

 様子を見ていた長男(小四)は、本書を読み始めたところだ。早速「この本、よく眠れるよ」と言っている。

 本書には「幸せな夢をデザインする方法」のほかにも、よく眠れるようになるうえに人生にいい効果のある方法がさまざま載っている。きっと、「自分に合う方法」が見つかるだろう。