「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回はスクランブルエッグを家庭でおいしくおいしい食べる方を紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)

ホテルの朝食のようなスクランブルエッグの作り方

【レシピ本には書けなかった!】家で作るスクランブルエッグがおいしくない理由Photo: Adobe Stock

ホテルの朝食のような、とろとろのスクランブルエッグを作るのは至難のわざ!

レシピ本には、

「強火で熱したフライパンにジュッと流し入れ、空気を含ませながらかきまぜる」

なんて書いてあるけれど、これが結構難しい。
あっという間に火が通って炒り卵になってしまった……という声もよく聞きます。

これを解決する方法は、冷たいフライパンから調理を始める「コールドスタート」です!

18~20cmのフライパンに卵2個を直接割り入れ、牛乳大さじ4、塩・こしょう各少々、バター10gを加えます。

火がついていない状態のまま、菜箸で卵、牛乳、塩・こしょうをよく溶き合わせたら、ここで初めて点火。
火加減は弱火です。バターがまだ残っていても、徐々に溶けていくので大丈夫。

ゴムべらで混ぜながら加熱を続け、とろりとしてきたらできあがり! 

お好みで黒こしょうをふって完成です。

レシピ通り作ったのにうまくできない……という人は、サラッと書かれている調理法が、プロにとっては簡単でも、自分にとっては難しいということに気づいていないのかもしれません。「これは、こういうもの」と思わず、もっと簡単にできる方法はないかな?と自分に合う作り方を探してみるといいでしょう。藤井恵さんのレシピが「どんな人でも上手に作れる」と言われるのは、おいしいだけではなく、簡単で、誰もが失敗しづらく、時短になり、しかも必要な栄養素を効率的にとれる料理になっている?と常に考えられているから。レシピとは言えないくらい簡単なコツを知るだけで、驚くほど料理上手に近づけますよ!