誰にも邪魔されない、誰とも話さないどころか、見える範囲には誰もいない。何の音も聞こえない。夜になったら何も見えない。山奥へ行けば、スマホの電波も届かないかもしれません。
ソロキャンプの流行は、情報氾濫がますます加速するネット社会から逃れたい、自分だけの時間を過ごしたい、少しの間だけでも「放っておいてほしい」という、現代人が持っている密かな願望の表れなのかもしれませんね。
ソロキャンプをすると、「五感が研ぎ澄まされる」といいます。
たった1人、自然の中に身を置くことで、身を守るという本能が働き、危険を察知するための視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚が、冴えわたるというのです。
興味のある方はチャレンジしてみるのもいいでしょう。
一方、「いきなりのソロキャンプは、ハードルが高い」という人のために、2つの方法があります。
1つは「ソログルキャン」――。「ソロキャンプ」と、同じテントを複数人で使用する「グループキャンプ」を融合させたキャンプです。
ある程度までの時間を2人以上の「グループ」で過ごした後、個人で用意したテントに入って「ソロ」で眠る。それ以外のルールは、参加メンバーであらかじめ決めておきます。
キャンプ場まで1台の車で行く場合もあれば、現地集合、現地解散もある。グループでゲームを楽しんでもいいし、一緒にいるのは食事だけでもいい。
ソロキャンプとは違って、食材やキャンプ用具を手分けして持って行ったり、食事のメニューや料理の担当を決めておいたりすることもできます。
そして何より、心細くない。
危険な目に遭ったら、助けを求めることができる――といった利点があるのですね。
至れり尽くせりで
アウトドアを味わう
もう一つは「ソロピング」――。こちらは「ソロキャンプ」と「グランピング」を融合させた方法です。
「グランピング」をご存じでしょうか。
「魅力的な」という意味の「グラマラス」と「キャンピング」をつなげた言葉で、簡単にいえば「手ぶらで行ける“至れり尽くせり”の豪華なキャンプ」です。
施設によっても異なりますが、冷暖房完備、バス・トイレ付きの広々とした清潔なテントに宿泊し、夕食時にはバーベキューなどの食材が用意され、頼めば調理もしてくれます。