シェフの手によるスクランブルエッグやソーセージ、ホットサンドといった朝食のオーダーも可能なので、ホテル並みのサービスを受けながら、アウトドア気分を味わう――それが「グランピング」の魅力だそうです。

 このグランピング、恋するカップルや仲の良いファミリーの利用が多いと聞きましたが、ここに1人で宿泊するのが、「ソロピング」というわけです。

 たった1人で豪華なディナーを味わい、好みのワインを傾け、快適な温度に設定されたテント内のハンモックに揺られ、ゆったりとした時間を過ごす。

 うーん。

 果たして、このような“グラマラスなソロキャンプ”でも、人間の五感は研ぎ澄まされるのでしょうか。

世界や日本各地にも
古くからある“巡礼”

「巡礼」の旅にも魅力を感じます。

「巡礼」とは本来、宗教上の聖地や聖域、聖者・聖人の居住地や墓碑、奇跡が伝えられる名所旧跡などを巡り、聖なるものに近づこうとする宗教行為を意味します。

 キリスト教・ユダヤ教の「エルサレム巡礼」、イスラム教の「メッカ巡礼」がよく知られていますよね。

 日本の巡礼には、江戸時代に大衆文化となった「お伊勢参り」や、四国八十八ヶ所霊場を巡る「お遍路さん」、「日本百観音巡礼」(西国・坂東・秩父)や、「七福神参り」(恵比寿・大黒天・福緑寿・毘沙門天・布袋・寿老人・弁財天)などがありますが、近年ではそのルート周辺のグルメや絶景スポットなどにも立ち寄りつつ、スタンプラリー感覚で御朱印を集めるといった楽しみ方もあります。

 古くは韓流ドラマ『冬のソナタ』のロケ地、近年では新海誠監督の『君の名は。』(2016)や『すずめの戸締り』(2022)といったアニメ映画の舞台となった街を訪れる旅が“聖地巡礼ツアー”と呼ばれていますね。

 ここで提案したいのも、自分の好きなこと、興味のあることをテーマとし、そのスポットをスタンプラリー感覚で1か所1か所を訪ね歩く「巡礼」ツアーです。