楽天のプロ講師が教える“1年半無収入”からの大逆転ノウハウ】ネットショップを運営した経験はゼロ。なのに、なぜ急にネット通販をするようになったのか? 1日の終わりにワインを飲むのが好きで、その「好き」が高じて、無謀にも仕事をやめて、新たに「ワインを仕事にする!」と決めた。限りある人生、どうせなら「好きなことを仕事にしたい」というだけの理由だった。それが開業して3年後には年商3400万円、5年後には年商6500万円、いまは年商7億円超にまで成長! 開業資金ゼロ・在庫ナシでもOK、さらには週1回(もしくは月1回)パソコンを開くだけでも稼げる方法がある。限りなくゼロに近いリスクで、自分の「好き」を仕事にするノウハウを初公開&全公開した話題の書『「おウチ起業」で4畳半から7億円 ネットショップで「好き」を売ってお金を稼ぐ!』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

【頭がいい人の数字思考】LTVが教えてくれる「長いつき合い」が利益になる理由Photo: Adobe Stock

注目を集める指標
LTV(顧客生涯価値)

 近年、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)という指標が注目を集めています。簡単にいうと、お客さん1人が、自分のショップと取引がある期間にどのくらいのお金を使ってくれるかという指標です。

 「生涯価値」といっても、そのお客さんが一生の間に使う金額ではなく買い物を続けている期間を指すのがポイントです。

「1:5の法則」が示す
リピーターの重要性

 マーケティングの世界に「1:5の法則」というものがあります。これは新規のお客さんを獲得するには、既存客の5倍のコストがかかるという法則です。

 つまり、一度来店して商品を購入してくださったお客さんとは良好な関係を築き、繰り返し商品を買っていただくことで、売り上げを安定させて収益性を高めることができることを示唆しています。

スタート時は難しくても
LTVの意識は持っておこう

 もちろん、事業をスタートしたばかりのときは、LTVまで気がまわらないかもしれません。

 しかし、LTVという言葉だけでも知っておくこと、お客さんにリピートしてもらうことの大切さを意識しておくことは重要です。

LTVの基本的な計算式

 LTVの算出方法は、いろいろとありますが、基本的なのは次の通りです。

 購入単価 × 購入回数 = LTV

 ちなみに、ほかにも計算式があります。

(売上高 - 売上原価) ÷ 購入者数 = LTV
● 顧客の年間購入額 × 収益率 × 顧客の取引継続年数 = LTV
● 顧客の平均購入単価(客単価)× 平均購入回数 = LTV

私のショップで使っている
LTVの計算式

 なお、私のショップでは、次の計算式を使っています。

 2年間の売上高 ÷ 購入者数 × 限界利益率 = LTV

期間を2年間にしている理由

 期間を2年間に限定している理由は、2つあります。1つは、私のショップで最も売り上げ比率の高い楽天のデータは、2年間を最長としていることがあります。

 これに加えてもう1つは、期間をもっと長くして5年などとすると、回収するまでに5年かかる計算となり、資金繰りに影響するからです。

2年間のLTVで
新規獲得コストを見極める

 LTVをあえて2年に設定して計算することによって、1人のお客さんから2年間で得ることができる金額がわかり、コンパクトなショップ運営に役立てることができるのです。

 私が使っているLTVの計算では、1人のお客さんの2年間に区切った限界利益を把握することができます。これにより新規客の獲得コストをいくらまでかけられるかを、判断することができるのです。

LTVが5000円なら
2000円の獲得コストもOK

 たとえば、この計算式で導き出した、LTVが5000円だとしましょう。

 すると、新規客1人の獲得コストに2000円を費やしても、そのお客さんが2年間で平均3000円の利益を残してくれる計算になります。

LTVがわからないと
販促にも迷いが出る

 効果が見込める広告やお客さんに喜んでもらえる販促だとしても、LTVがわからないと金額によってはなんとなく躊躇してしまうといったことが起こります。

「好き」を共有するお客さんと
長いおつき合いを

好き」を商品にしているのであれば、同じ「好き」を持つお客さんと、できるだけ長いおつき合いを目指したいですし、可能な限りの利益を再投資して、喜んでもらえる価値を最大化していきたいですよね。

POINT 2年をベースにLTVを把握して新規顧客の獲得コストを計算しましょう

※本稿は、『「おウチ起業」で4畳半から7億円 ネットショップで「好き」を売ってお金を稼ぐ!』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。