出かけたときに、人と会って話をするというのも大事。会話や心の触れ合いは、ひとりでいるときとは比べものにならないくらいの感情の動きをもたらします。

 こうした変化に富んだ毎日を送っていれば、脳が衰えることはないでしょう。

手書きで日記をつけると
幅広い脳番地が刺激される

 パソコンの普及によって、紙に文字を書くことはめっきり減っています。

 確かに、文字を早く大量に書くには、パソコンのほうが圧倒的に有利です。

 しかし、脳への刺激という点では、パソコンより手書きのほうがはるかに優れています。

 パソコンを使っているときは、手の動きは限られていて、運動系脳番地の一部が使われるだけ。それに対して、えんぴつやペンを使って字を書くと、脳は手の動きを細かく指示しなくてはならないので、広い範囲の脳番地を使います。

 パソコンでは、「読み」さえ知っていれば文字を入力できますし、書いた文章は文字のサイズや書体が統一されてプリントアウトされますが、手書きだと、漢字を覚えていないと書けないうえに、そのときどきの心理状態が文字に大きく反映されます。

 大事な書類であれば、文字が雑にならないよう、しっかりきれいな字で書こうとするのではないでしょうか。

 このように手書きの場合は、さまざまなことに配慮しなければいけませんが、その分、脳番地の成長にはよい効果を与えてくれるのです。

 この効果を得るためにも、ふだんパソコンばかり使っているという人は、ノートに自筆で日記を書く習慣をつけましょう。「日記が続いたことがない」という人もいるでしょうが、何も内容のあることを書こうとする必要はありません。「今日の朝食は○○を食べた」「今日はずっと家にいた」など1日の行動を書くだけでもいいのです。

 筆記具は、ボールペンでなく、えんぴつや万年筆を使いましょう。書くときに先端の微調整が必要になるので、より脳番地を刺激する、指先トレーニングにもなります。