たとえば、居酒屋さんで注文するときに、「今日のおすすめはなんですか?」と聞いてみるのです。スーパーの鮮魚コーナーでは、「今日、一番新鮮なのは何?」と聞くと、一番のおすすめを教えてくれるでしょう。
こうして店員さんに「何を聞こうか」と思いを巡らせるのは、思考系脳番地の働きを高めることにもつながります。
飲食店やスーパーの店員さんはいつも忙しそうで話がしづらいという場合は、美容院・理髪店でおしゃべりをしてください。髪のカットやカラーリングには時間がかかるので、お得意様をつかむためにも、たいてい先方から積極的に話しかけてくれます。
こうして地域におしゃべりができる人が増えていくと、いずれはそれが脳を活性化させる手助けにもなるのです。
脱・マンネリ化した生活!
たまには寄り道してみよう
マンネリ化した生活を送っていると、脳への刺激が少なくなってもの忘れが増え、認知症のモトになってしまいます。
認知症は「出来事記憶」が失われる症状なので、それを食いとめるには感情系脳番地(図-1)を刺激する必要があります。
感情系脳番地は記憶系脳番地と隣り合い、喜びや楽しさだけでなく、怒り、悲しみを感じるたびに記憶系脳番地に影響を与えます。
こうした喜怒哀楽を感じるきっかけになるのは、さまざまな経験です。どんな出来事であっても経験して感情が動けば、認知症は防げます。
日常に変化をつけることが大切です。同じことを繰り返すような単調な生活を送っていてはいけません。いつもと違うものの中にこそ、発見や感動があるのです。
マンネリは脳の成長を妨げます。
たとえば、いつもと違う道を通って帰路につく。途中で買い物をしてもいいでしょう。いつもは手にとらないものを買ってみる、街並みや風景を意識して眺めるなど、日常を楽しむことを心がけてみてください。
ここで重要なのは、ふだん歩かない道を歩いたり、足を踏み入れない場所に行ったりするという行為。
遠回りして歩くことは、なんとなく無駄だと思うかもしれませんが、その際に新たな発見があれば脳は成長するのです。