部屋が汚い人は、散らかっていることで自分の部屋を空間的に把握できず、そのためにますます整理できないという悪循環に陥ってしまいます。理解系脳番地(図-1)に属する空間認識力が弱いと、ものが立体的に認識できず、場所が正確に把握できないということが起こってくるからです。
この悪循環を断ち切りたければ、まずは1カ所だけ片づけることから始めましょう。
どんなに乱雑になっている部屋も、「本棚の上半分」「玄関の靴をきちんと並べるだけ」など、手をつけやすいところから片づけると、すっきりして気分が上がります。
片づけるときは、同時にものを分類すること。「雑誌はこのラックへ」「郵便物はこの箱へ」など種類ごとに置く場所を決めると、記憶系脳番地(図-1)が働くようになります。そして、次第に部屋も片づいていきます。
部屋が片づいたら、今度は掃除。掃除は、運動系脳番地(図-1)を活性化してくれます。棚の上を拭きながらつま先立ちをしたりするだけで、よいエクササイズにもなるはずです。
こうして片づけや掃除が習慣化してくれば、部屋という空間に対する理解力が高まり、結果的に理解系脳番地を鍛えることになります。
さらに半年に1度くらいは模様替えもしてみましょう。掃除機やぞうきんで部屋をきれいにし、机やテーブル、本棚などの配置を変える作業を行うと、部屋の光景もガラリと変わって視覚系脳番地(図-1)に新鮮な情報が送り込まれます。
コミュニケーションが減ると
認知症のリスクが一気に高まる
ある程度の年齢になると、退職したり、パートナーに先立たれたりする人もけっこういるかと思います。
そうなったときに注意したいのが、コミュニケーション不足。会社でのやりとりやパートナーとの会話がなくなって人とのコミュニケーションが急に減ると、認知症のリスクは一気に高まります。
コミュニケーションの力をつかさどるのは、伝達系脳番地(図-1)。日常生活の中で人と言葉を交わす機会を設けないといけません。
そこでおすすめしたいのが、買い物や食事の際に、店員さんと話をすることです。飲食店で支払いをすませたあとに「ごちそうさま」「おいしかったです」と言い添えるのがその第一歩。会話を続けさせたいなら、質問をしてみましょう。