Trump Always Chickens Out:
TACO=トランプはいつもビビッてやめる

「TACO(タコ)」と聞けばメキシコ料理を思い浮かべる人が多いだろう。だが、米ウォール街ではトランプ米大統領が連想される。
トランプ氏の関税政策は朝令暮改(11th-hour reprieve)であり、市場を大混乱させている。ここから生まれた造語がTACOだ。
TACOは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビッてやめる)」の頭文字を由来にしており、5月に入ってトランプ関税を皮肉ったフレーズとして注目されるようになった。TACOを逆手に取って一獲千金を狙う取引が「TACOトレード」だ。
確かにトランプ氏はチキンになっている(ビビっている)ように見える。高関税を大々的に打ち出しながら、株価急落などを目の当たりするとすぐに軌道修正するというパターンを繰り返しているからだ。
代表的なTACOは4月2日発表の相互関税(reciprocal tariff)だ。トランプ政権は1週間後から欧州連合(EU)や日本に大幅関税を課す方針を掲げながら、当日になって90日間の猶予を設けた。
TACOは経済に悪影響を及ぼすとみられている。ノーベル経済学賞受賞の米経済学者ポール・クルーグマン氏は米ゴールドマン・サックスのポッドキャスト番組に出演し、次のように語っている。