食事がくれる喜びは大切です。ただ、子どもが食事をする理由が空腹のせいなのか、気分がよくないのを解消するためなのか、一度考えてみる必要があります。子どもが泣いたり駄々をこねたりしたとき、甘い棒付きキャンディで気を引いたりせず、親のストレスもチョコレートや甘いクリームを入れたコーヒーでごまかしたりしないほうがいいですね。
バースデーパーティーのかわいいケーキは、うれしく楽しい気分で食べたいものです。
まずは子どもの“体の声”を
聞いてあげよう
人が食べる量はいつも同じではありません。お腹が空いている日もあれば、食欲がない日もあります。おいしいおかずがあればごはんを2膳たいらげるし、気分のよくない日にはどんなごちそうが並んでいても口の中がカサカサします。
息子のソハはデリケートな子です。でも、生まれつき大食いでもあります。食べるのが好きなのに、全然ごはんを食べない時期がありました。歯が生え始めた頃は離乳食を拒否しました。
普段より食べないことが気になって、何とか食べさせようとしましたが、あまり効果はありませんでした。ごはんを食べずに、夜になるとグズグズ言って眠らないので、もしかしたら具合が悪いのかと心配しましたが、いつのまにか米粒みたいな新しい歯が生えていました。歯がムズムズして食べたくなかったのでしょう。
娘のユハは学校に入学し、お弁当を食べ始めて2週間でお昼を食べずに帰ってくるようになりました。毎日手つかずのお弁当を生ゴミ入れに捨てるのは、とても悲しいことでした。
食欲をなくすほど新しい場所は居心地が悪かったのでしょう。無理やり食べて気持ちが悪くなるよりマシだよ、学校で食べたくないなら家で食べようねと、頭をなでてやるしかありませんでした。
慣れない環境に少しずつ適応し始めると、だんだんお弁当を食べるようになりました。お兄ちゃんと同じ量でも、ぺろりとたいらげてくる日もありました。
当時は、もちろん心配でしたし、こんなに食べなくて大丈夫なのかと不安でしたが、今にして思えば、子どもの体の声を聞く過程だったのかもしれません。