メタバースからAIに軸足を移し、私の推し目線に合致しはじめた今のMetaは、いったん気持ちが離れた私をもう一度引きつけるに足る企業になった、と言えるでしょう。そして、そこからMetaの株を再び買うことになったのです。
推し投資ではこうした柔軟性があってもいいと思っています。推したい気持ちがなくなったら見限るのも選択肢ですし、企業の戦略やビジョンが変化してあらためて推せると判断したら、再び投資対象にするのも大いにありです。いわば“元の鞘に収まる”ことを躊躇する必要はありません。
大切なのは「その時点で推せるかどうか」であって、過去に売却したからといって、今後もずっと否定する必要はありません。
10倍100倍株を狙える
推し投資のアプローチとは
メタトレンド投資には、「業界全体が伸びるため、その波に乗るだけでもそれなりのリターンを期待できる」という強みがあります。
ただし、そのなかで10倍や100倍に大化けする特定の企業をピンポイントで狙うのはまた別の話です。メタトレンドを把握していても、大化けする企業を外すことは十分考えられます。
そこで、具体的な企業選びにおいて役立つのが推し投資のアプローチです。
推し投資では、ファンやマニアならではの情熱と知識量、あるいは現場の肌感覚や直感がアドバンテージになります。
プロのアナリストは広く浅く、多くの銘柄を追わなければいけませんが、推し投資家は好きな企業や業種を深く深く掘り下げることができます。「好きだから、努力を努力と思わない」状態で知識や情報がアップデートされ、しかもちょっとした動きにも素早く気づけるわけです。
また、メタトレンド投資は基本的に長期保有が前提になります。10年単位の大きな時代の変化に乗るわけですから、短期的に株価が乱高下する場面は珍しくありません。
しかし、推しとして好きになった企業であれば、一時的に業績が落ち込んだり、市場全体が混乱したりしても、「まだまだこれから」「ここが正念場だ」と踏ん張って株を持ち続けやすいでしょう。これはアイドルを下積み時代から推しているファンが、バッシングや人気の落ち込みに直面しても簡単には見放さないのと同じ構図です。