応援している企業なら、ネガティブな報道や決算の一時的な落ち込みにも耐え、「まだこの会社は伸びるポテンシャルを持っているはずだ」と腰を据えて持ち続けられます。

 もちろん、いくらメタトレンドを分析し、強い思い入れをもって推し投資をしていても、すべてうまくいくとはかぎりません。メタトレンドだと思われた業界が、新しいテクノロジーの登場によって失速してしまうこともありますし、期待した企業が思わぬ不祥事を起こしてしまう可能性も否定できません。

 しかし、トータルで見れば、「社会の大きな変化(メタトレンド投資)」と、「好きだからこそ深く知り、長く持ちやすい(推し投資)」の組み合わせはかなり強力です。そしてこの2つを掛け合わせることで「業界全体の成長+個別企業の爆発的な成長」を同時に狙うことも十分可能だからです。

メタトレンドを無視すれば
推し投資はリスクになる

 メタトレンド投資だけを押さえておけば業界全体の成長による株価の底上げが期待できます。

 仮に10倍や100倍に大化けする本命を的中させられなくても、2倍や5倍といった成長を取りこぼしにくいのが利点です。

 ところが、メタトレンドをまったく無視して推し投資だけに注力してしまうと、さすがに厳しい状況になるでしょう。

 いくら大好きな企業だとしても、その産業全体が縮小傾向にあるなら、株価の上昇には期待しにくいからです。

 例えば世界中でEVへのシフトが進みつつあるなか「古き良き爆音ガソリンエンジン車」にこだわるメーカーを推しても、業界全体の流れが後ろ向きである以上、伸びしろは期待できません。

 むしろ、業界全体が衰退する方向に向かっていれば、株価が大きく下落するリスクも考えられます。

 メタトレンドの大きなうねりに逆行する企業を応援し続けるのは、投資家としてもハイリスクだといえるでしょう。

長期保有か利益確定か?
推し投資の永遠の課題

 ここまでお伝えしたように推し投資にはたくさんのメリットがあります。