デメリットはなかなか思い浮かびませんが、あえて挙げるとするならば「愛着が湧きすぎて株を売りづらくなる」という点でしょうか。
まだ「推し」と呼べるほど惚れ込んでいない企業ならば、1年、2年と持ち続けてパッとしなかったり、確信が持てなければ躊躇なく手放すことができます。関係性が浅く、見切りがつけやすいのです。
ところが、心から気に入った推し企業となると、株価が上がったり、含み益が大きくなったりしてもどうしても手放しにくくなります。
私の場合、TeslaやNVIDIA、Appleがその代表例です。すでにいつ売っても十分な利益を確定できるにもかかわらず、なかなか売却に踏み切れません。
「手のかかる息子」が、いい大人になっても可愛くて仕方ないようなもの。投資の世界では「情に流されるべきではない」と言われますが、推し投資には推しすぎるがゆえに客観性を失い、冷静な判断が難しくなりがちなのです。
シビアな判断がしづらくなるため、例えば株価が下落する局面では「損切り」がしづらくなるでしょう。
しかし、それも裏を返せば「長期保有しやすい」とも言えます。一時的に株価が下落しても、「まだ応援したい」という気持ちが支えとなり、簡単に手放さずに持ち続けられる。結果として、業績や株価が復活するのをじっと待つことができ、その粘り強さがのちのち報われるケースもあります。

ただし、TeslaやNVIDIA、Appleといった大幅に値上がりした推し銘柄はさっさと売って、別の株に投資しなおしたほうが、長期的にはもっと大きなリターンを得ていた可能性は否定できません。愛着が強いからこそ、機会損失が発生するかもしれない。
それでも私は、推し投資を続けてきて後悔はありませんし、今後も続けていきます。愛着が湧いて、株を売りづらくなるというリスクはあるものの、私にとってはデメリットというほどではなく、それ以上の楽しさとやりがい、充実感とワクワク感をもたらしてくれるからです。私にとって人生を豊かにする、かけがえのないライフワークと言えるでしょう。