私は言葉のあまり通じない国々を取材旅行しているとき、笑顔が最大の武器になることを実感してきました。市場で買い物をするときは、店主の顔をにっこり見て「これが欲しい」というように指さすと、店主もニコニコしてオマケまでつけてくれる。
写真を撮らせてもらうときは、持っているカメラを指差して、笑顔で「OK?」と聞くと、相手も「OK、OK」とにっこりポーズをとってくれる……というように。笑顔によって心が通い合い、相手の懐にするりと入って、目的を叶えていけるのです。
笑顔は万国共通の、もっともシンプルなコミュニケーションツール。相手が子どもでも、高齢者でも、笑いかけると、たいてい同じように笑い返してくれる。逆に、冷たい態度をとると、相手も冷たく接してくる。人間は、自分がされたことを相手にもしようとする生き物。とくに出会って最初の数秒と、別れるときの数秒、どんな表情で接するかは、自分のイメージを印象づける別れ道になるのです。
笑顔というのは、相手を明るくするだけでなく、自分自身の心も明るくほぐしてくれます。普段から笑顔を心がけていると、「楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔でいるから楽しくなる」という法則を実感するはず。心に余裕が生まれて、健康面では免疫機能が高まるというのですから、笑顔のパワーは無限なのです。
ずっと笑顔でなくても「笑顔で始まり、笑顔で終わる」を心がけてみませんか。
出かける前に全身をチェックする
“清潔感”が信頼に繋がる
「見た目は関係ない。内面が大事だ」なんて言う人がいますが、見た目というのは、驚くほど、内面を映し出しています。
私たちは見た瞬間、視覚的な情報から「明るく楽しそうな人だな」「仲良くなれそう」「ちょっと近づきがたい」というように、人を判断するものです。
人は見た目で判断されるのは事実。身なりは、あなたの人間性に関する情報を絶えず発信しています。ただし、「感じのいい人」と好感をもってもらうために、容姿端麗のほうがいいとか、おしゃれでなければいけない、ということではありません。
“身だしなみ”が整っていて、“清潔感”があればじゅうぶん。「きちんとしている人だな」と信頼されて、丁寧に扱ってもらえます。反対に、髪がボサボサで、だらしない格好をしていると、相手は無意識に「適当で雑な人」「社会性があまりない人」などと感じて、雑な扱いをされてしまうのです。