会う人を大切にして、最低限の敬意を払うために身につけてほしいのは、外出前に鏡の前で全身をチェックする習慣です。

 髪は整っているか?服にシワはないか?襟元や袖口に汚れはないか?靴はきれいに磨かれているか?他人の目になって自分をちゃんと確認するのです。

 それだけで、服や靴は事前に整えてから身につける習慣も生まれます。

 また、自分を客観視する習慣にもなります。私は忙しくて鏡を見ることを怠っていると、みるみる肌や体型が劣化。反対に鏡を見る回数が増えると、「美容室に行こう」「パックでもしようかな」と自分をケアして、見た目も自信も回復していきます。

 高価なものを身につけるよりも大切なことは、自分への手入れを惜しまないこと。自分を整えて大切にすれば、他人からも大切にされるのです。

相手の目を見て返事をする
相手を大切に扱う習慣を大事に!

 人がなにに意識を向けているかは、“視線”に表れるものです。

 なにか問いかけたとき、相手がよそを見て「はいはい」と生返事をすると、「ちゃんと聞いているのかな?」と不安になるし、声をかけた瞬間、相手が下を向くと、「話したくないのかな?」と、それ以上、会話するのを躊躇します。

 返事をするとき、無意識に目が泳いでいたり、遠くを見ていたり、スマホをいじっていたりすると、相手は「自分には興味がないのだ」と思うでしょう。

 好かれる人は、相手の目をしっかり見て返事をするものです。それだけで相手は「聞いてくれている」「大切にされている」と実感して話せるのです。

 人づき合いは、相手をちゃんと見ることから始まります。

 相手と対峙したときに、「いま、なにを考えているのかな?」「どんな人かな?」などと相手に意識を向けてみると、表情やしぐさ、声のトーンなどから自然に気持ちは伝わってくるし、相手の個性も感じとることができます。

 すると、コミュニケーションもスムーズ。たとえ意見が違っていても、気持ちのいい言い方をして、折り合いをつけていけるのです。

職場の「なぜか好かれる人」が無意識にやっている4つの習慣『なぜか好かれる人の小さな習慣』(有川真由美、毎日新聞出版)

 一方、「自分はどう思われるのか」と自分のことばかりに意識が向いている人や、話していても別なところに意識が向いている人は、相手のことが見えていないもの。だから、心が通い合わないのです。

 まずは、返事をするとき、相手の目を見るようにしませんか。目を合わせるのが苦手な人は、相手の眉と眉の間を見るようにするといいでしょう。

 相手のことをちゃんと見ようとする習慣は、家庭でも職場でも人を大切にして、自分も大切にされることにつながっていくのです。