図表2:労働時間上限規制に対する対応労働時間上限規制に対する対応
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 労働時間の上限規制への対応状況を調査したところ、物流事業者の33.0%が「特に取り組みや制度は導入していない」と回答。一方、24.9%が「配送ルートの最適化.共同配送の推進」、24.3%が「ドライバーの労働時間短縮に向けた施策を実行」と回答し、業界内で対応状況に大きな差が生じていることが示唆された。

 実際に労働時間の上限規制の取り組みによってドライバーの労働時間が変化したかを質問したところ、半数近くの47.6%が「やや減少した」と回答。しかし、「あまり減少が見られなかった」(24.9%)、「全く減少しなかった(変化なし)」(20.0%)との回答もあった。

最大の懸念は「ドライバー不足の深刻化」

 物流改正法の施行を目前に控え、物流事業者が最も懸念しているのは「ドライバー不足の深刻化」で、全体の43.2%。続いて、「荷待ち時間の増加」(25.9%)、「運賃の低下」(25.4%)が挙げられた。一方で、「特に心配事はない」と回答した事業者も23.8%にのぼった。

 物流改正法に伴う荷主への協力要請に関しては、44.3%が「適正な運賃・料金の設定」を求めていたが、「特に協力を求めている事項はない」と回答した事業者も25.4%にのぼり、協力要請の必要性には温度差がみられた。

 多重下請構造の是正について調査を行ったところ、36.2%が「積極的に是正すべきである」と回答し、3社に1社が是正の必要性を認識していた。是正を支持する理由として、「公正な取引環境を確保し、実運送会社の適正な利益の確保のため」が76.1%と最も多く、次いで「物流・輸送品質向上につながるため」(47.8%)、「労働条件の改善につながるため」(41.8%)が挙げられた。

「現状維持もやむを得ない」と回答した事業者も24.9%存在し、その理由としては、「中小運送会社の経営圧迫につながる」(39.1%)、「中間マージンによる実運送会社の収益性低下」(30.4%)といった声が多かった。

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