だから変な感覚です。助けてもらっているはずなのに、感謝までされている。そして逆の立場でもそう。頼られると嬉しいし、自分のこと以上に他人のためにはがんばれる自分がいる。これこそが、本来の人と人とが生きていく健全なあり方なのだと思います。いつから忘れてしまったのでしょうか。

「自分だけでがんばる」は
今すぐ捨てるべき

 特に現代は誰かになにかをしてもらっていることが感じにくい社会になりました。すべてのことがお金を支払えば解決できているような気にさせてしまう。ハッキリ言って、これは思い上がりも甚しいわけです。自分だけでできることなんてなにもない。誰かの力を借りずに生きていられると思っているなら、そのほうが異常です。でも、それがまかり通っている。

 実際のところはお金だけで解決していることなんて、なにもない。生きていくために絶対に必要な食べ物は、誰かが育ててくれているから存在し、コンビニで買えるのも、誰かが運んできて陳列してくれているから買うことができている。すべては循環し、誰かのおかげで成り立っている。

 それにもかかわらず、自分のことは自分でやりなさいと頼ることができなくなってしまったことが、実は現代の生きにくさの根源にあるのではないかと思うのです。

 もっと誰かの力を借りていい。誰かに頼っていい。そのぶん誰かの力になってあげる。そうした健全な持ちつ持たれつの関係こそが、わたしたちが幸せに豊かに生きていくうえでの基本姿勢だと思っています。

 もはや誰かに頼ることそのものが貢献とすら言えます。なぜなら力を借りる人の活躍の場をつくることですらあるのですから。あなたが「助けてほしい」ということは、誰かのためになります。逆に、あなたが頼らないことは、誰かの活躍の場面を奪っているのです。

 でも、人に頼ることが勇気のいることだというのもすごく理解できます。僕も慣れるまでは本当に難しかった。無意識で自分でなんとかしようしていました。

 だからこそあらためてお伝えします。「自分だけでがんばる」は捨ててください。そして、お互い様の、心地よい関係性で生きていきませんか。

理想の人生をつくりたければ
自分を捨てるべき

 想像をはるかに超えた人生は、自分を捨てた先にある。それが僕のお伝えできる、いちばん確信している理想の人生のつくり方です。

 自分にとっての理想の人生をつくる方法なのに、「なんで自分を捨てることになるの?」そう不思議に思う気持ちもあるでしょう。こうやって書いている僕自身すらも、昔の自分にこのことを伝えたとしたら「こいつ、なに言い出してるんだ?」って訝しく思ったことでしょう。